『手技療法』と腕の疲れ

当塾には他の健康関連の仕事をしている人、他の「整体」をしている人も度々来られています。

整体を受けに来られたり、整体法講座に参加されたり。
勉強のために来られている人もいれば、ご自身が体調を崩して来られる人もいます。
中にはそうした職に就いておられることを隠して、調査を兼ねて来られる場合もあるようです。
当塾としては別に出し惜しみすることも、隠すものもないので、堂々と来て頂いてかまわないのですが・・・。

特に指を使う「手技療法」を行っている人には、かなり腕の疲れを原因とする体調不良に悩んでいる人が多いです。

多くの場合は親指の使い過ぎがその元になっています。

指の使い過ぎというのは、その疲れが指だけでおさまらないので困るんです。

指の疲れを感じている頃には、もう既に肩・首・背中にまで影響が出ています。

そしてその頃には、指を温めたり揉みほぐしたりしても全く緩和しません。

まだ初期の頃なら温めれば幾分緩和しますが、それでも更に毎日仕事は続くのでしょうから、すぐにそれでは追いつかなくなり、結局疲労が溜まってしまいます。
特に親指の酷使による疲れは、首から頭にまで侵攻していく傾向があります。

長年指を酷使してきた人には、頭痛を訴える人が多いです。
指圧・マッサージ師の人や、理容・美容師さんにも多いようです。

ただ頭痛がするだけで終わるわけではなく、もっと深刻な問題へと発展することもあります。

こういった職業に就いている人で、指への負担があるかどうかの目安は、まず、指や指の付け根が変形していないかどうかです。

指の向きがおかしかったり、指先が腫れたように大きくなっていたり、指の伸びが悪くなっていたりしたら既に良くない状況です。

よく使う指が太くなっていてもいけません。
太くなっていることを「丈夫になっている」と勘違いしている人もいますが、体の末端部が太くなっているのはよくないのです。

こうしたことを防ぐためには、指の力、腕の力だけを使うような技術を改めるしかありません。

おそらく多くの療術スクールで「手の力だけでやらない」ということが言われてはいると思うんですが、実際にそのことをしっかり体で理解できていない人も多いのではないでしょうか?

理解できていたとしても、たとえば60分とか90分もの時間をかけて、体を揉みほぐし続けるようなことをしていれば、体を壊さない方が不思議です。

そしてそのような施術を受けている人の方も、過剰刺激によってかなり体が乱れているんじゃないかと思うのですが・・・
(実際にその影響で、ゴワゴワの固い体になっている人を見かけることもあります。)

整体や健康サロンの案内の写真などを見ても、明らかに腕の力で施術しているようなものも多く見かけます。

中には明らかに施術者が自身の体重をかけて相手の体を押さえ、矯正を施しているようなものも見かけます。

体重をかけるということは、寄り掛かるのと同じことです。
つまり施術者はその時、自身の力をコントロールし切れない状態なんです。

こういう施術はとても危険です。
「危険」というのは、決してその場で受け手が体を壊すような事故が起こることばかりを指すのではありません。

後々何らかの悪影響が体に表れかねないような緊張感、硬直を体の深部に残してしまうこともあるのです。
これは、腕の力で行う施術にも言えることです。

受け手にとっても、施術者にとってもよくないことです。

 

古くからの整体には元々、厳格な『型』というものがあります。

この型に従って技術を用いることで、まず施術者自身の体を壊すようなことはなくなります。

そしてもちろん、受ける人への悪影響をなくし、相手の体の深部に必要な刺激を届けることができるようになっています。

 

私はその整体を厳密に受け継いでいるわけではなく、かなり独自の解釈を含んでいますが、基本にその型の認識があるおかげで、今まで体を壊すことなく整体を続けてこられました。

指も腕も、全く太くなっていません。
むしろ頼りなく細いくらいで、多分腕相撲なんかも弱いでしょう(笑)
こうした『型』を使いこなすには、もちろん慣れと経験が必要なんですが、その前提として多少の基礎訓練、体づくりが必要になります。

その基本は自身の体の軸と土台の安定です。

それがしっかり出来れば、どんなに体が小さくても、相手の芯にまで響くような施術ができます。

逆に、どんなに筋骨隆々の人でも、体の使い方が悪ければ相手の体の表面に嫌な圧力や痛みを与えるだけの技術になってしまいます。
詳しくは講座に参加して習得していただくしかないのですが、普段から体操などの訓練もしておくことも重要です。