4月初旬の頃、仕事の忙しさによる疲労と、精神的ストレスのせいか、全身の倦怠感を訴える人が来られました。
頭痛と肩・首のこりも訴えていましたが、さらに突然、顔を中心に肌が真っ赤になって痒くなるというのです。
正確にはわからないけれど、食べ物か、それとも衣類の繊維かが原因で、「アレルギー症状が出ているんじゃないか?」とご本人は自己分析しておられました。
身体状況を調べてみると、まず肝臓の疲れがあることが、背骨やお腹の状況から分かりました。
肝臓の疲れは、肌のトラブルとして、出てくることがあります。
特に春は過敏に出ます。
ただ、この方の場合は、仕事の疲労と、精神的なストレスの影響であることはすぐにわかりました。
頭の骨の強い緊張がみられましたから、相当頭脳の疲労が溜まっていたようです。
それでいつも「頭が重い」状態で、その頭を支える首と肩も緊張したままです。
そしてその重みと緊張のせいで交感神経の過敏状態が続き、内臓の働きもおかしくなって、代謝がうまくいっていないのです。
とにかくまずは、頭の緊張を取るための、頭部と首の調整です。
すると、すぐに首や背中の緊張も抜けていきました。
ちなみに、首をボキボキ矯正したり、背中を揉みほぐしたりなどしていません。
あとは、肩甲骨の調整、肝臓の働きを良くする刺激、代謝の促進のための刺激などを行い、その他細かなアドバイスをして、その日の整体は終了です。
後日頂いた報告によると、変化はすぐ翌日に現れたそうです。
まず翌日は、「頭のゆるみ」の反応として、大量の鼻水とくしゃみが出たそうです。
まるで「花粉症のようだ」と仰っていました。
しかしそれは一日ですっかり止まり、「詰まりが取れた」かのように頭がスッキリしたようです。
しかしその翌日の夜、今度は急な下痢が起こりました。
お腹が痛くならず、しかも短時間で大量に出て、そして治まってしまったという、不思議な下痢だったそうです。
こういう下痢は、まさに疲労物質の排泄です。
神経の緊張が取れたせいで代謝がよくなり、体内にたまっていた疲労物質が一気に排泄されたのでしょう。
以来、肌が急に痒くなるアレルギー症状のような現象も、ピタリと止まったそうです。
アレルギーの多くは、一つは神経の緊張による過敏現象と、もう一つは内臓の疲労による毒素の体内滞留が原因と考えられます。
しかし多くの場合、この二つが同時に起こっています。
ですから、心身両面をゆるめていかなければならないのです。
アレルギーの元となる食べ物や衣類、花粉etc.を避けても、根本的な解決には至りません。