身体への刺激と鈍り

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「最初のうちは痛かったけど、続けているうちに平気になってきた・・・」

マッサージ器やツボ押し棒などを多用している人からよく聞かれる言葉です。

コリがほぐれて柔らかくなり、痛くなくなってきたのかと思いきや、触ってみると逆にカチカチになっている。

これでは少々の刺激で痛みを感じることもなくなるでしょう。

そのかわり、コリが「治った」のではなく、麻痺して感じなくなっているだけ。

 

こういうことは実際によくあるのです。

強い刺激を与え続けると、体はその刺激から身を守るため、皮膚や筋肉を固くしていきます。

そればかりか、こらえる時に力の入る他の場所まで固くなっていくものです。

 

プロレスラーやボクサーは、素人に殴られたぐらいではビクともしませんよね。

プロのパンチを受けても、しばらくは我慢して立っていられます。

プロの世界ではそれが「強さ」なんですが、一般人の健康の観点からみると、それは「鈍り」ということができます。

本来なら体を痛めるような刺激を全身で受け止めて、吸収してしまうのですから。

 

痛み、寒さ、暑さなどの負荷を受けると、体はそれらから身を守ろうと働き始めます。

そしてそれは、「痛い」「暑い」「寒い」というように「感じる」ということが始まりです。

強いパンチをまともに受けても痛くない、零下の気温の中でも裸足でいられる・・・これでは打撃や冷えの影響がどんどん体に蓄積されていってしまいます。

 

平気だからといって、影響が無いわけではありません。

格闘家やスポーツ選手に短命の人や引退後に重病にかかる人が多いのはそのせいでしょう。

 

 

このことは味覚についても同じような事が言えます。

刺激の強い食べ物・飲み物、味の濃いものなどを食べ続けていると、だんだん食べ物そのものの味がわからなくなってきます。

味が分からないということは、体が求めている食べ物が分からない、ということと同じです。

 

薬品や栄養剤については更に鈍りを起こしかねません。

大量の栄養や様々な成分が、味覚という感覚を通さずに一気に体内に入ってくるわけですから。

薬についても、飲み続けていくうちにだんだん効かなくなってきた、量を増やさないと効果が出なくなってきた、という経験をお持ちの方も多いでしょう。

 

 

整体法では、軽く手を触れる「愉気法」という方法をよく用います。

軽く体に触れるだけですから、刺激とも言えないようなごく軽い刺激。

強い刺激に慣れている人にとっては、とても頼りなく感じるかもしれません。

しかし、丁寧にその感覚を味わっていると、独特の体の奥にしみ込む暖かさや弛みが感じられます。

 

大切な事は、外から大きな刺激を与えることではありません。

僅かな刺激がきっかけで、内側から動きが沸き起こること。自然治癒力を高めるとは、本来こういうことではないでしょうか?

 

健康な体とは、僅かな食べ物の中から栄養を充分に吸収できる体です。

同じように、体の表面への刺激も、本来は少ないほうがいいのです。

鈍りの激しい場所には、時々強めの刺激をして目を覚まさせることが必要ですが、それには絶妙な度合・間合いが必要です。

そしてその度合や間合いを用いるのにも、感覚の敏感さが必要なのです。

 

※愉気法については、DVD講座で基本を学ぶことができます。

整体(個人指導)の際に受けることができます。