妊娠中の整体

先日、妊娠初期の方に整体をさせて頂きました。

人の体というのは本当に不思議なものです。
妊娠した途端に、一斉に体の中に大きな動きが始まります。

それは当然、赤ちゃんをお腹の中で育てるための準備なわけですが、そのために、邪魔になるものを捨てる為の排泄のような動きも盛んになります。

今までの体だったら、別に溜め込んでおいても問題がなかったり、あるいは捨てる能力が弱くて捨てられなかったようなものまで、妊娠した途端に体が目覚め出し、排泄が始まるのです。

まるで引っ越しが決まった時のように、今まで溜め込んでいた不要物やゴミを掃除し始め、ビックリする程溜まっていたことに気づく・・・というように。
また、急に感受性が変化し始めるのも、妊婦さんの特徴です。
今までだったら平気で食べていたインスタント食品や甘いお菓子が、苦く感じられて食べられない。
それ以前に、食べたいという欲求すら湧かない。

そのかわり、急に今まで食べたくなかったものを食べてみたくなる。
匂いや舌触り、手触りなんかにも急に敏感になる・・・等。

苦しいことだけれど、つわりにさえ、そういう役割が含まれています。

このような大きな変化が、体の中で自発的に起こります。

もしかしたら・・・これは全く根拠のない話で、私の思い過ごしでしかないのかもしれませんが、一応書いてみます(汗)

妊娠よりも少し先に、そのような体の準備が起こっているのかもしれない、とさえ思えることがあるんです。

実際は受胎したから急に体が変わるんじゃなくて、心理的にも、身体的にも、その他様々なタイミングも含めて、妊娠の準備が整い、機運が高まった時に体は準備を始め、そして受胎する・・・
・・・いや、ほんとに何の根拠もありません。
デタラメな話だと、あるいはオカルト的な話だとお叱りを受けるかもしれませんが、でも、実際に妊娠された方を見て、何度かそんな気がしたことがあるんです。

まぁとにかく、それくらい人の体というものは、そして命というものは、「根拠」とかでは語れない、神秘的な世界のような気がします。

理論や学説に照らし合わせてではなく、実際に生身の人の体を見ていると、そう感じることばかりです。

とにかくそのように、体の内側で自発的に起こった動きというのは、頭で考えて施す処置なんかよりも、遥かに凄い力を持っています。

だから必然的に、妊娠中はその内側の働きに出来るだけ任せることが一番大事なこととなります。

妊娠したら、何か特別なことをしなければいけないと考える人もいるようですが、それはむしろ逆。
余計な健康法をするよりも、できるだけ自然に任せるのがいい。

だから、整体の際にも、実はあまり妊婦さんに対してすることは多くないのです。

体の内側でものすごい動きが営まれている時期です。
外から与える刺激は、少ないほうがいい。

もちろん気をつけるべきこととか、チェックすべきポイントというのはありますから、何もしないわけではないんですが、案外妊娠中の整体というのは「あっさり」しているものです、当塾では。
初めての方にしてみれば、頼りない印象を受けるくらいだと思います。
刺激というのは、整体操法などによる体への刺激だけではありません。
音や光による刺激、暑さ寒さによる刺激、そして言葉や態度による、心理的な刺激・・・大人はこれを何とか分散できるけれど、お腹の中の赤ちゃんにはダイレクトに響いてしまいます。

とは言っても、全く刺激のない生活を送ることなど無理ですから、お母さんには是非「愉気」というものを覚えて頂きたいのです。
ともかくそういうわけで、当塾の妊娠中(そして産後)の整体というのは、医学的なものとはもちろん、他の「整体」と呼ばれているものとも随分様子が違うかと思います。

そのため現在は、基本的に、いくつかの条件を設けさせて頂いている次第です。
※「野口整体」で行われている妊娠中の操法や産後の操法など、当塾では行っていないものも多くありますので、それらを希望される方は別の専門家をお訪ねください。