腰と性的感覚

当塾では「腰の反り」「腰の弾力性」をとても重要なものとして捉えています。
しかし案外、腰を反らすという感覚がわからない人も多いようです。

多くの人が腰ではなく、背中を反らそうとしてしまいます。
それで、「背中ではなく腰ですよ、骨盤とそのすぐ上のところ」と言っても、どうもそこを反らす動作が出来ない人が多いのです。

それで色々言葉を変えて説明してみたり、実際にその骨盤や腰椎の所に触れて反らしてもらおうとするのだけど、中にはそれでも背中で反らし、肩や胸に力が入ってしまう人がいます。

とにかくそういう人は、何度も繰り返していって、少しずつ腰の感覚を鍛えていくしかありません。
とにかくこの、腰の感覚が鈍い人が多いのです。
つまりそれは、言葉は悪いですが、腰の感覚が未熟なんです。

腰が未熟であるということは、これははっきり言って、性的な未熟ということもできるわけです。

性的というと、色々と誤解されやすいかとも思うのですが、男性らしさとか、女性らしさとか、そういった意味も含めての性です。

腰の反りの元となる腰椎4番とか骨盤というのは、性的な働き、つまり生殖器の働きとの関係が深い場所だということは、前にも何度か書きました。

で、腰から背中(腎臓のあたり)にかけての反り・クビレというのは、男女共に、性的な魅力の表れる場所でもありますよね。

女性だったら、背中からお尻にかけてのクビレは「色っぽさ」として感じられるし、男性なら、引き締まった腰によって強調される背中や肩は「力強さ」として感じられるわけです。

そしてそういった所に、異性は魅力を感じるような「性的感性」を持っているものです。
ところが、こうした腰の反りがなくなってくると共に、その色っぽさ、力強さは薄れていきます。

これは見た目だけの話ではなくて、本当にその人の持つ女性としての感性、男性としての感性も同時に薄れていく傾向があるんです。

同時に、異性に魅力を感じる「性的感性」も薄れていきます。
もっと平たく言えば、ときめかなくなってくるんです。
近年、頼りない男性が増えてきて「男性の女性化」などと言われる一方、男勝りの女性も増えて来ているようです。
恋愛やファッションなどよりも、とにかく仕事のことしか頭にない、という若者も多いようですが、どうやらそうした人の中に、腰の鈍い人が増えているようなのです。

性的に未熟というのは、そういうことに興味がわかない、ということです。
異性との付き合いはもちろん、自分を着飾ってみたり、カッコ付けてみたり、人の目を意識してみること、つまり「恥じらい」を持つということも、性的な能力の表れなんです。
だから逆に言えば、恥じらいのない人は性的な力が薄い人なんです。

下品な下ネタばかり言っているおじさんとか、平気で下着を出している女性とかも、これは性的な欲求が余っているのではなくて、むしろ薄れてきている人、あるいは未成熟な人に見られる傾向なんです。

そういう意味では、最近の若い子達の服装をみていると、やはり性的な未熟さを感じずにはいられません。

話は飛躍しますが、腰に最初に反りが表れるのは、赤ちゃんの頃の話です。
「ずりばい」をしている赤ちゃんの腰には、大きなアーチが描かれています。
ずりばいを通して、腰を育てているんです。

そして四つん這いのハイハイに移り、腰の準備が整ってから立ち上がる、その発育と同時進行で、精神的な自立も始まるわけです。

「恥じらい」というのは他人の目を意識することです。
自分と他人を区別すること。
赤ちゃんは立ち上がるようになると同時に、人の目を意識し始め、そして最初の反抗期に入っていきます。
その頃には更に腰がグンと伸び、一気に男の子っぽさ、女の子っぽさが感じられるようになります。

それが性的な成長の第一歩、その頃から既に、性的な発育は始まっているわけです。

やがて水疱瘡、おたふく風邪といった、腎臓や生殖器を鍛える病気にかかることで、さらに腰が丈夫になります。

実はこうした病気を正しく経過したかどうか、そして立ち上がる以前に、しっかりと栄養をとって丈夫な足腰を作ってきたか、こういうことも、性の発育にはとても大きな影響を与えているのです。

ともかく、腰については体の要であるだけに、いくら説明しても話はつきないわけですが、決して形だけ整えればいいとか、筋力を鍛えればいいとかいう問題ではないんです。
それは内面的、そして本能的、性的な面も含めての、人間の土台なわけです。