腰と内蔵

人間の体には「腰の反り」が大事だということを何度も書いていますが、元気な人の体には、腰以外にもあちこちに「反り(くびれ)」ができています。

一番下では足の裏。
土踏まずがちゃんとくぼんでいて、足の裏がアーチ状になっています。

逆にあまりいい状態でない人は足の裏が平で、いわゆる「扁平足」です。
いい体の人はくるぶしも奇麗に出ていて、足首にくびれがあります。
後ろ側のアキレス腱のところも奇麗にカーブを描いています。

さらに、お尻のラインもくびれていて、腰や脇腹、そして首から頭にかけて(うなじ)の反りも奇麗に描かれています。
反りがあってくびれているということは、弓状になっているということですから、しなりがある、弾力がある、ということです。

反りのない人は弾力がなくなりますから、足音も大きくなります。
扁平足で足首や腰にクッション性がないので、ドスン、ドスンと音を立ててしまうのです。

足音だけではなくて、物音全体が大きくなる傾向があります。
椅子に座るときもドスンと座る。
電車に乗っていて、こういう人が隣に座るときには、シートが大きく揺れることを覚悟しなければなりません(笑)
こういう体のあちこちの反りは、腰の鈍りとともに起こっていきます。
中心部の腰に弾力がなくなるせいで、他の部分に負担がかかるようになるわけです。
それで、だんだんと末端のほうまで固くなっていきます。
では、なぜこの中心部の腰の反りが悪くなるかというと、その原因は様々なんですが、実は「内蔵の疲れ」もその大きな要因となっています。

腰の反りといういのは、下は骨盤、上は腎臓のある辺りにかけてのカーブとして描かれます。

体内に疲労物質が溜まると、腎臓がそれを排泄すべく忙しくなってくるのですが、忙しすぎて腎臓が草臥れてくると、その腎臓のある辺りが強張ってきます。
そして、やがて後ろに下がってくるのです。

そうすると、腰は正常なアーチ状を保てなくなってきます。
本来反っているはずの腰も後ろに下がってきます。

腰痛などもその結果起こるのですが、実は大半の腰痛が、こうした上からの連鎖によって起こっています。

だから、腎臓の疲れが原因で骨盤部の問題(婦人科系統の問題)が起こることもあるし、膝や足の痛みの元が腎臓部にあることも多いです。

必ずしも腎臓が原因というわけではありませんが、しかし腰と腎臓というのは、とても関連性が深いわけです。
そしてまた、「腰が抜ける」と元気も出ない、やる気も出ないものですが、腎臓が草臥れると、気力も沸かなくなる傾向があるのです。

腎臓が草臥れて腰が曲がると、背中が丸くなって胸も閉ざされてしまいます。
当然呼吸が浅くなり、肺にも影響が出ます。

呼吸器の病の背後にはかなりの比率で腎臓の問題が潜んでいます。
喘息などはその典型です。
(更に背後には心理的な問題がありますが。)
ともかく腰の反りというのは、単に姿勢がいいか悪いかといった、見た目上の問題だけではないんです。

腰痛や肩こりとの関係があるばかりでもなく、その「姿勢」には、心理的な意味合いでの「姿勢」と共に、内蔵の働きとも密接な関係性を持っているのです。
ちなみに、姿勢や体型に表れる内蔵の影響というのは、人間ドックや健康診断で引っかかるよりもずっと先に出てくるものです。

そのため、多くの人は、整体の際に内蔵の疲れを指摘されても、
「別に、病院で悪いと言われたことはないから」
と、無関心のままでいることが多いのです。

逆に言えば、検査に引っかかるようになった頃には、既に相当にひどい体の状態になっている場合もある、ということです。

本当はそれ以前に、体はちゃんとサインを出していたのです。