腰の反りと弾力

元気で若々しく、そして健康な人の体には、「中心に集まる力」とともに、もう一つ大きな法則性があります。

それは「腰の反り」を中心とした体の「反り」と、それに伴う「弾力性」です。
人間の背骨は、次の図のようにゆるやかなS字のカーブを描いています。
特に、腰の部分はそのカーブが強く、背骨全体のカーブの『土台』となっています。
つまり、この腰のカーブがしっかり描かれているかどうかで、背骨全体、そして体全体の『弾力性』があるかないかが決まるのです。
背骨が直線の棒状ではなく、カーブを描いているということは、弓のように「しなり」があり、体にバネがある、ということです。
それが「体の弾力」の元です。
弾力(バネ)がなくなれば、日常生活の様々な運動による衝撃を、体はダイレクトに受けることになります。

たとえば、膝の痛みも、体のバネ(クッション性)がないせいで起こりやすくなるし、腰や股関節等の痛みも同じです。
また、「人間は頭の重みのせいで肩こりを起こす」ということが言われていますが、体が正しい状態であれば、そのようなことは決して起こりません。

背骨がしっかりとカーブを描いていれば、頭はバネの上に乗っているようなものです。
しかも、その頭は体の中心線上に位置することになるので、自分の頭の重みなど全く苦になりません。

ところが背骨が弾力をなくし、猫背になってくることで頭の重みが負担になってきます。
これは肩こり、首こり、背中の痛みの原因になるばかりでなく、脳の血行も悪くなるので、頭の働きの鈍りにもつながります。
脳卒中になる人は、ほぼ間違いなくこのような体になっています。

 

腰の反りの有無は、骨盤の角度に大きく影響されます。
骨盤の後ろ側が上がっているか、下がっているかによって、背骨の角度が大きく変わってくるのです。

従って、腰の弾力~全身の弾力をよくするコツの一つは、骨盤の後ろ側をあげる(骨盤を立てる)ことで腰を反らす、ということになります。
実際には細かい注意点がいくつかありますので、実技指導を受けて頂きたいところなのですが、簡単に一例をあげますと、『開脚』のポーズをその訓練とすることができます。
脚を拡げ、つま先をしっかりと立てて足の裏を反らします。
(後述しますが、この足の裏の反りも重要なポイントです。詳しくは体操教室で)

後ろに手をついて、床を押します。
床を押すことで、骨盤を起こしているのです。

 

ちなみに、腰の固い人、反りの無くなってしまった人が開脚のポーズをとると、膝が曲がって足先が外に開き、背中は丸く肩が前に出て、首も前にでてしまいます。

こういう状態に既になっている人は、まずは可能な範囲で少しずつ脚を伸ばし、そして後ろに手をついて、少しずつ腰(骨盤)を起こすようにしていって、時間をかけて改善していく必要があります。

背筋を伸ばし、猫背を直そうとすると、つい多くの人が背中全体を反らしたり、胸を突き出したりして姿勢をよく見せようとします。

しかしそうすると、肩や胸、首にばかり力が入ってしまい、心身ともに緊張が抜けなくなります。
しかし上手に腰を中心とした反りを作ることで、肩の力は抜け、無駄な力みがなく、弾力のある体を保つことができます。

 

ちなみに、よく重要だと言われている『丹田(下丹田)』は、このような姿勢の結果、自然に表れてくるものです。
無理に丹田を意識して呼吸などのトレーニングを行うと、体はバランスを崩すことのほうが多いようです。

また、腰を中心とした反りを作ることで、それに呼応するように、足の裏をはじめ、体のあちこちに弓状の反りが出来てきます。
『くびれ』と言ってもいいでしょう。

 

くびれのある体は美しいだけでなく、体のあちこちに弓状の反り、つまりクッション性/弾力が出るわけですから、健康で軽やかな体である、ということができます。

そして、精神的にも元気で気力に満ちている人は、自然にそのような弾力のある体を持ち合わせているものです。

一方、肩に力を入れて無理矢理よい姿勢を作っている人は、精神的にも無理矢理「気合い」を入れ、「肩肘を張っている」ものです。

さらに、無理矢理によい姿勢を作ることもできない状態になってしまった人は、その姿勢が示すように、自信や気力がなかなか沸いてきません。
(丹田」も、完全に抜けてしまっています。)

 

そのような身体状況の人も、少しずつ体を起こし、心身の弾力を取り戻していってください。

当塾でお勧めする体操は、体を柔らかくすることが目的ではなく、体の『弾力』を取り戻すこと、保つことを重要視して、様々なポーズ、訓練法を行っています。

詳しく学びたい方は、体操教室、または整体にて。

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