骨盤の本当のしくみ

「骨盤を締めると痩せる」とか、「骨盤を締めると若返る」というような話を聞いたことがある人も多いかと思います。
また、「産後は骨盤が開いているから・・・」とか、「骨盤の歪みが万病の元」とか、そういう情報も数多く出回っているようです。

これらすべてが間違っているわけではありませんが、それでも多くの場合、その認識には誤解があるように思います。

 

確かに骨盤が余計に開くと太る傾向はあるし、産後は骨盤が開いているのも事実です。

ただこの場合の「開く」「閉じる」というのは、物理的に開いたり閉じたりというのではありません(ほんの僅かには開いたり閉じたりの動きをしている可能性はありますが)。

表現としては、「ゆるむ」「引き締まる」と言った方が正しいでしょう。

 

ともかく、それらを引き締めるに当たっては、ベルトで骨盤を引き締めたり、外側から力を加えて押し込んだりしてもダメなんです。

そういう方法でも一時的には閉まるかもしれません。
しかし、体の内側に、骨盤の正しいポジションを保持する力、つまり「中心に集まる力」が働かなければいけません。
そして、正しい骨盤のポジションを保持する力の源は、主に腰(腰椎部)にあります。
腰にしっかり反りと弾力があることによって、骨盤の正しいポジションは保たれるのです。

骨盤をグイグイ引き締めても効果がないのは、そのためです。

 ※産後間もない時期は、腰に力が入らないようになっています。


 

その頃に無理にトレーニングをしても、腰や骨盤は引き締まりません。

また、ベルト等で強く締めていると、自然に締まろうとする力がいつまでも働かず、逆に引き締まりに長い時間がかかってしまう可能性があります。

 

ヨガのポーズなどでも、脚を内側に閉じるようにすれば骨盤が締まる、と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、それらが直接的に骨盤の引き締めにつながることは、あまりないようです。

逆に、脚を大きく開くようにすると骨盤が開いてしまうかというと、これもそういう訳ではありません。

むしろ、脚を大きく開いて腰を伸ばす「開脚」のポーズを行うと、腰に反りが出来て弾力がついてきます。
実はこの腰の弾力こそが、骨盤の適切な引き締まりの原動力となっています。

 

また、同じく腰の反りと弾力を養うために、正座の状態から仰向けに倒れる体操もお勧めです。

ただし、腰~骨盤の弾力がない人や、太ももの伸びの悪い人にとっては、とてもつらい体操です。
くれぐれも無理をしないようにしましょう。

最終目標としては、膝が床について、背中もあまり床から離れない形です。

しかし多くの場合は腰や太ももなどが固くなっていて、膝が開いて床から浮いてしまうことでしょう。

気長に、無理をせずに続けてみてください。

 

腰、骨盤に弾力がない人は、脚にばかり力がかかり、太ももばかりが太く・固くなる傾向もあります。
この体操は縮んだ太ももをしっかり伸ばす意味もあり、同時に腰~骨盤を引き締めることにつながります。

 

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