本当の自分と体癖

私も何度か経験があるんですが、「本当の自分を見つける」ためのワークみたいなものがあるでしょう?

たとえば「今までに自分が楽しいと思った経験をノートに書き出してみましょう」とか。

「幸せを感じた出来事を書き出してみましょう」とか、
「子どもの頃から得意だったものを思い出して書き出してみましょう」とか。
今思えば、それって少し違うと思うんです。
そのワークだけでは、本当の自分なんて見つからないんじゃないか、と。

見つかるのは、楽しいと「思っていた」こと、幸せだと「思うことができる」出来事、得意なまでに練習させられたこと…にすぎないかもしれないのです。
親の価値観でそう思わされていただけかもしれません。

仮面を被った自分が、勝手に思い込んでいただけなのかもしれないのです。

そんなものを一生懸命頭を捻って思い出しても、本当の自分なんて見えて来ないと思うんです。

本当の自分っていうのは、もっと無意識の所から見えてくるものです。
一人の女性が、子どもの頃から、ある職業に就くことを目指していたそうなんです。

そのために、幼い頃からいろんな勉強、習い事をしてきたそうなんですが、本人は幼い頃からやっているから、そのことが好きか嫌いかなんて分からないというんです。

当たり前のように毎日繰り返していたことだから、たとえば歯磨きをするとか、髪を洗うとか、そういう日常的なものと大差がない。
だから好きとか嫌いとか、楽しいとかいう感情も特にない。

だけど、同級生が出来ないことを幾つもできるし、周りの人からは「凄いね」といわれるわけです。
だから特技といえば特技だし、周りの人は皆「あなたはよっぽど○○が好きなのね」というものだから、何となく好きなつもりでもいたりする。
でも彼女が大人になった時、案外現実は厳しく、結局その職業に就く事ができなかったんです。

それは自分の今までの生活を否定されたようなもので、彼女にしてみれば大変なショックです。

親もショックを受けているし、二重に苦しんでしまった。
だけどそんなショックの果てに、そういえば、この職業っていうのは親のために目指していたものだったんだ、ということを、やっと客観的に見る事ができるようになった、と言うんですね。

多分、ショックを受けている親を見て、そう思ったんでしょう。
本当なら慰めてくれたり励ましてくれるべき親が、凹んでしまっている。
結局私は何なんだ?、と・・・で、その結果、これは私の選択じゃなかったんだ、とやっと気づいたわけです。
それからの彼女は、次なる道を見つけて、勢い良く前進していきました。
子どもの頃に習った様々なことは、次の道にも別の形で活かしていけばいい。

そして親元も離れ、伸び伸びと自分の道を歩き始めた彼女は、子どもの頃のガリガリな体とは別人のように、ふっくらとした体つき、穏やかな顔つきになっていきました。
それまでは、自分とは全くタイプの違う親に合わせ、「別の*体癖の人生」を送っていたのです。
そのギャップは、様々な原因不明の病気や人間関係のトラブルという形で彼女の身の上に表れていました。

そして、本来の彼女の体癖では考えられないような、痩せた体をしていました。
しかし本来の自分らしい道を見つけると、体調も、そして体つきも、本来のその人のものに戻っていくものです。

以前お会いした時には「毎日が楽しくて、今までとは考えられないほど違う。」と仰っていました。

きっと生きている実感を感じながらの毎日だったんでしょうね。

以前、潜在意識が本当に働き出すのは、とっさの時や追いつめられた時、無我夢中の時だ、という話を書きました。

潜在意識っていうのは、要するに、本当の自分です。
彼女の場合、就職の失敗が、そのきっかけになって、潜在意識からの、本当の自分の欲求に気づく事ができたのでしょう。
ただ、潜在意識っていうのは、本当は普段から、無意識の癖として、ちゃんと体の表面に表れているものなんです。

それに気づくための観察の指標となるのが、この「心の癖・体の癖」。
よく自分を観察してみると、いつも本当の自分はここにいて、密かにメッセージを投げかけているんです。
*「体癖」〜心の癖・体の癖についてはこちら