顎関節症と耳鳴り、歯周病、難聴etc.

体と心の話

■顎関節症と他の様々な症状

「顎関節症」と言われる症状を訴える人は当塾にも多く、中でも、耳の聞こえが悪い(難聴)、耳鳴り、頭痛・偏頭痛、口内炎や歯周病などの口の中の問題・・・

総じて頭部の問題と顎関節症を併発している人が多い傾向にあります。

また、肩こりや首こり、胃腸の不調など、ともかく全身の様々な体調不良とともに顎関節の異常を抱えている人が多いのです。

 

それには大きな理由があります。

すべての原因には共通点があるのです。

 

■「顎関節の歪み」の原因

多くの場合、顎関節症の原因は「顎関節の歪み」であると言われています。

では、その顎関節の歪みは何故起こるのでしょうか?

 

「食べ物を片側で噛むからだ」とか、「背骨の歪みや骨盤の歪みが元になっているのだ」という説もあります。
 
ですが、当塾で今まで見てきた中で最も多いのは、普段から顎関節に必要以上の力(緊張)が加わり続けている、という状態です。

 

つまり・・・ 「歯の食いしばり過ぎ」です。
 
一言で言えば、それはストレスが原因であると言えるでしょう。

 

歯を食いしばるということは、顎関節にものすごい力をかけているということです。

しかもほとんどの場合、無意識のうちに食いしばっているのです。

 

普段、リラックスしているつもりの時でさえ、顎の力が抜けていない人もいます。

これでは口の開きがおかしくなったり、痛みが出たりして当然です。

顎が「カクカク」するなんていうのも、緊張が強く、開きが悪いからです。

 

ですから、顎関節の歪みや顎関節症を改善するには、この顎関節にかかっている緊張を抜かなければならないのです。

左右の歪みを無理矢理「ボキッ!」と矯正したり、噛み合わせを無理矢理矯正したところで、顎関節がスムーズに開くようにはなりませんし、痛みも取れません。

 

■顎関節と心理状態

大勢の人の前でスピーチをさせられると、緊張のあまり声が出なくなったり、顎が震えたりすることがありますよね。

そのように、精神状態と顎、口というのは大きな関係があるのです。

苦手な人や恐い人の前でも、思うように口が動きません。

 

恐い顔で親に見張られてばかりいる子どもにも、顎関節症が多いです。

親が見張っているつもりがなくても、子どもが我慢していることは多いものです。

寂しさとか、親の期待によるプレッシャーとか、その原因は様々ですが、とにかく歯を食いしばって我慢しているのです。

大人の場合でも基本的に同じですが、顎関節の問題は、子どもの頃から続いている、あるいは子どもの頃からその原因を引きずっている場合が多いようです。

 

■顎関節と頭、肩・首、歯・口との関係

強く歯を食いしばれば、それは顎関節部だけでなく、頭の骨全体に緊張を引き起こします。

特にこめかみ、そして後頭部に緊張が走ります。

 

当然、これが続けば頭痛・偏頭痛の原因になります。

脳の検査をしても異常がないけれど、時々急に頭が痛くなる人に、こうした緊張性の頭痛がよくみられます。

同じように、首にも強い力が加わりますから、肩こり、首のこりを引き起こします。 

 

また、常に心配事に常に頭を悩ませ、歯を食いしばっていると、口内の血行も非常に悪くなります。

ストレスがひどいと口内炎が出来やすいと一般的も言われていますが、それはこうした理由で起こるとも考えられます。

歯茎の血行も悪くなりますから、歯周病(歯槽膿漏、歯肉炎症)にも大変なりやすい状態です。

歯を食いしばりすぎて歯茎が充血し、毎日歯磨きの時に血が出る、なんていう人もいます。

 

■顎関節と内臓、耳との関係

歯の食いしばりによる肩や首の緊張は、神経の異常を引き起こし、胃腸の働きを悪くしてしまいます。

特に胃潰瘍などの人は、首と顎関節が異常に緊張しています。

 

また、顎関節は耳のすぐ近くにありますから、顎関節と耳には大きな関連性があります。

気圧の違う場所に急に移動して耳がおかしくなった時、奥歯を噛むようにすると治ることがありますよね。
 
常に顎関節が緊張していると、耳鳴りがしたり、耳の聞こえ方がおかしくなったりもします。

特にこれは顎関節症と併発している例が多いです。

耳の痛みを訴える人もいます。

 

聞きたくない話を聞かされる時に「耳が痛い」なんていう表現を用いることがありますが、実際、そういう話ばかり聞かされていると、人は無意識のうちに耳を閉ざすようになるのです。

聞きたくない話に耳を閉ざし、歯を食いしばって我慢している、そんな生活が続けば、顎関節症にも、難聴になるのも当然といえば当然です。

 

■顎関節と無意識・・・歯ぎしり、過食etc.

顎関節には「無意識のうちに力が入ってしまっている」と先程書きましたが、無意識のうちに、ということは、寝ている間も力が抜けていない、ということです。

それで、そういう人は、寝ている間に歯ぎしりをするのです。

歯ぎしりの音というのは、まるで歯が削れてしまいそうに思える程大きなものです。

実際に歯ぎしりをしすぎて、あるいは普段から歯を食いしばりすぎて、歯が削れたり割れてしまう人もいるのです。

 

しかしこの歯ぎしりも、歯の食いしばりも、実はこのこと自体が悪いわけではないのです。

むしろ、歯を食いしばったり、寝ている間に歯を擦りあわせたりすることで、心の中にあるストレスを発散しているのです。
 
ストレスで過食をする人が多いのも、とにかく「噛みたい」という欲求によるものでもあるのです。

だから噛みごたえのあるものを食べたくなる傾向が強く、固いスナック菓子などが好まれることが多いのです。

常にガムを噛んでいないと落ち着かない、という人もいます。

 

 

・・・普段、私達人間は口から発する言葉によって、心の中の思いを伝えます。

自分の意見を言ったり、悲しみ、苦しみを訴えたり。

泣き声も、笑い声も口から出てくるものです。

つまり口というのは、感情や意志の「出口」なのです。

 

しかし、その言葉を封じられたり、押さえ込まれたりするということは、出口を閉じさせられてしまうということです。

特に子どもの頃にはまだ言葉を上手に使えませんから、言いたいことを表せない、もどかしさを常に抱えているものです。

そこに大人の理屈をかぶせられたり、恐い目で睨まれたり、重い期待をかけられたりすれば、ただでさえ上手に扱えない口を、さらに重く閉ざさなければならなくなります。

 

押さえても、押さえても言葉や泣き声は出ようとしてくるものです。

その口を閉じる力は、並み大抵のものではありません。

それほどに強い力で、歯を食いしばって耐えているのです。

 

出口をなくしたその苦しみは、当然、自分の内側を壊していきます。

顎関節だけではありません。

やがて全身を捻らせて、全身を縮ませて耐えるようになります。

顎関節の歪みが、全身の様々な歪みと共に起こっているのはそのせいです。

 

■顎関節症etc.の改善と心身の解放

とにかく顎関節を正していくには、単に物理的に関節の歪みを矯正すればいいわけではありません。

歯ぎしりも、歯の食いしばりも、一面ではストレスの発散ですから、それを抑え込めば、そのストレスは再び体・心の内部に侵攻してしまいます。

常に力がかかっている顎関節周囲や首、頭の骨などの緊張を取るようにしていくと、その緊張は取れやすくなっていきます。

当塾でも、そうした技術は用います。

しかしそれだけではなく、お腹、背骨など、全身にその緊張はこびりついていますから、それらを見極めて整えていかなければなりません。

 

普段ご自分では、大きく口を開けたり、顎を左右に動かしたり、首、肩などのストレッチを行うのも有効でしょう。

思いきり口を開けて大声を出したり、カラオケで歌うとスッキリするのもそのためです。
 
しかし、そういった「ストレス解消」ではとても追い付かない場合も多いはずです。

その場合は、それらの症状の改善だけでなく、ご自分の生活環境を見直す必要があるのかもしれません。

ともかく体の緊張・心の緊張を抜いて、じっくりと向き合うことも大切でしょう。

 

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