積み重ねるもの

先日、研修のために大阪へ行ってきたんですが、その往復の移動の際にゆっくり読もうと思って買っておいた本があります。

とても読みやすそうな本だし、電車の中で休み休み読んでいても、一日でほぼ読み終わるかな、という感じでした。

だけど読み始めたら、その内容の素晴らしさにのめりこんでしまい、行きの電車の中で読み終えそうになってしまったのでした(笑)。

帰りの電車の中が暇だと嫌なので、なんとか少しだけでも読み残しておこうと、本当はすぐにでも次のページをめくりたいのを我慢して、最後の一章だけ読まずにおきました。

まるで、目の前にあるごちそうを食べずに我慢する...大げさなようですが、それくらいの感覚でした。

結局、帰りの電車に乗ってすぐに、読み終えてしまいましたが(笑)

ご存知、いわゆる「野口整体」系の整体指導をされている方で、天谷保子さんという方の本ですが、整体のテクニック云々とか、そういうことは書いてありません。

とてもシンプルな文章で、ご自身の生い立ちや人生観とか、保育園運営者としての体験談とか、子育ての話とか、人生全般について綴った本です。
こういう本を読むと、整体にしても、カウンセリング等の言葉の技術にしても、やはり大事なのは「人間力」みたいなものなんだな、と思うんです。

どんなに技術力のある人でも、知識な豊富な人であっても、「あの人の世話にはなりたくない」と思う人は、やっぱりいるものですよね。
逆に、どの程度の技術力か、知識力なのかは知らないけど、とにかくあの人にみてもらいたい、という人もいます。
でもそう思える人って、実際には、技術や知識も、ちゃんと持っている人だったりする。

「人間力が大事だから」なんて言って、技術や知識を磨かずにいる人は、なかなかそうなれないような気がするんですね。

一方で役に立つ技術、役に立つ知識だけにこだわる人もまた、知識と技術を身につけたから、それで自分が立派になったかのような勘違いをしてしまいかねません。
特に「先生」と呼ばれるような立場に急になると尚更でしょう。

だから本当の「先生」となるためには、それまでの下積み的なものが、どうしても必要なのかな、などとも思うんです。
ともあれ、上記の本のように、シンプルな言葉なのにスッと心に入ってきてしまうようなこともあれば、長い文章を連ねても伝えきれない、私の文章のようなものもあれば・・・

まだまだ私には、言葉や技術の下に積み重ねないといけないものが多いようです。
積み重ねて、そして踏み固めて、安心して身を任せられるような、安定した地盤をつくらないといけないようです。