体癖による相性、人間関係

あるボイス・トレーニング教室があったとします。

 

仮にそこの先生が「ナカブチ・ツヨシ」という名前だったとしましょう(笑)

とても迫力のある声を出す先生で、歌い方もダイナミック。

叫ぶように、パワフルに歌う先生です。

 

そこに、ある生徒が入学してきました。

仮に、「ヒライ・ゲン」という名前だったとしましょう(笑)

元々歌がうまい人だったんですが、どうも声が細い。

 

そんなヒライ君に、ナカブチ先生は言います。

「腹に力を入れて、全身全霊で声を出してみろ!」

「魂を込めて、気合いを入れて歌ってみろ!」

 

しかしヒライ君がいくら大声を出してみても、線の細い、ひ弱な声しか出ません。

才能がないのかな?とヒライ君は悩みます。

 

それでもナカブチ先生は、ヒライ君には気合いが足りないのだと、腹に力が入っていないのだと指摘します。

「膝を曲げて、腰を落としてみろ!
 拳を握りしめて、そして『突き』を打ちながらかけ声を出す練習だ!」

『セイッ!』『セイッ!』

 

ヒライ君も先生に習って拳を突き出しながら声をだします。

『せいぃ〜〜』『せいぃ〜』

 

繊細なビブラートのかかったハイトーンのかけ声に、ナカブチ先生がいらだち始めます。

「おまえ、そんな声の出し方で、客を感動させられる歌が歌えると思ってるのか!?
 歌は魂だぞ!お前には、才能がないみたいだから、人の10倍練習しないとダメだな」

 

ヒライ君はさすがに落ち込みます。

練習の度にダメ出しをされ、厳しく罵倒され続けてきたヒライ君は、言われた通り、人の何倍もの練習を積んできたのです。

それでも、ナカブチ先生のような声がでないのです。

ヒライ君はこのまま、歌手になる夢を諦めてしまうしかないのでしょうか・・・

 

・・・・

 

もうお判りですね、決してヒライ・ゲン君は夢を諦める必要などありません。

ナカブチ先生にはある程度のところで本当に限界を感じたならば、ヒライ君ならではの歌い方を研究すればいい。

それを認めて伸ばしてくれる先生を見つければいいだけの話です。

 

もちろん、ナカブチ先生のところでの苦労は無駄にはならないかもしれません。

だけどそこにい続けたのでは、それ以上伸びないはずです。

 

いささか極端な作り話でしたが、しかしこういうことは、現実に非常に多く起こっていることなんです。

 

様々なジャンルの教室の講師、会社の上司、学校の先生等、上の立場の人が自分の価値観だけで指導しようとしてしまい、それについてこれない人は「才能がない」と決めつける。

中には「努力が足りないからだ」と叱りつける場合もあるでしょう。

しかし人にはそれぞれ向き・不向きがあります。

 

なぜ向き・不向きがあるかというと、体のつくりが違うからです。

歌の例で言うと、声を出すのは体です。

体が違えば出る声も違います。

声帯の特徴や呼吸のタイミング等によって、歌い方や音量にも違いが出てきます。

 

どんなにトランペットの名人が頑張っても、トランペットでフルートの音を出すことができないのと同じです。

どうしてもフルートの音をだしたかったら、トランペットを真っ直ぐな一本の棒の形に作り直して、吹き口の形も変えて、フルートそっくりに作り変えるしかありません。

そんなことよりも、最初からフルート奏者を呼んできたほうがいい。

 

フルート奏者がトランペットの音を出すのも同じです。

フルートをわざわざトランペットに作り変えるよりも、最初からトランペット奏者に演奏をお願いしたほうが早い。

だからフルート奏者はフルート奏者として腕を磨き、トランペットの音が必要な時はトランペット奏者にお願いする・・・

そうやってそれぞれの役割を磨きつつ、それぞれに協力し合う、世の中って、そうやって出来上がっているものだと思うんですよね。

 

決してみんなが全部を平均的に同じように出来て成り立っているのではなくて。

 

そもそも、人の体はそのように「みんな同じ」「平均的」に出来ているものではないのです。

同じように手足が二本ずつ、同じような配置で目や鼻や口があっても、実際にはその機能は違うのです。

そして、人の心や感性といった目に見えない部分も、決して同じようには出来ていないのです。

 

でも一方で『似た者同士』はいて、たとえばナカブチ先生の教室に、ナカブチ先生と似た者同士の新入生が入ってきたとしましょう。

 

仮に名前がキオハラ・カズヒロ君だったとします(笑)

キオハラ君は音楽は素人ですが、妙にナカブチ先生とウマがあい、毎日『セイッ』『セイッ』と迫力のある声を出して、成長していくかもしれません。

いずれにしても、このような個性の違いがあり、そして似た者同士のパターンがある、ということを知らないでいると、大きな才能があることを見逃したり、潰してしまったりということにもなりかねません。

そればかりか、その相手が人生を生きづらく感じてしまったり、「自分には価値がない」などと思ってしまうようにもなっていく可能性が大きいのです。

 

実際、「自分には価値がない」「自分は無能だ」「自分はいらない人間だ」などと思っている人の多くが、本当の自分ではない、他の人の価値観に引きずられて育ってきた人なのではないでしょうか?

 

特に人を指導する立場にある人は、いや、そうでない人であっても、この違いの本質ということを、ぜひ知って、勉強して頂きたいと思うのです。

当塾が『心の癖・体の癖』(体癖)というものを伝えようとしているのはそのためです。

 

 

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