無意識の抵抗

体と心の話

「このまま病気でいたい」、「不幸なままでいたい」、普通は、そんなふうに考えている人はいないはずです。

病気の人は「早く治りたい」と思うし、不幸な境遇にある人は、「今よりも幸せになりたい」と思っているはずです。

 

しかし、そんな当たり前の思いとは裏腹に、「このまま治りたくない」「不幸なままでいたい」と思う心もあるのです。

しかもそれは、本人でさえ気付かないうちに、無意識にそうした抵抗を持ってしまっている場合がほとんどなのです。

信じられない話かもしれませんが、この「無意識の抵抗」は誰にでもあり、常に働いている人間の心の法則の一つです。

 

どんなことであっても、急に自分や周囲の環境が変わることは恐いものです。

普通は、慣れ親しんだ今までと同じ環境のほうが落ち着きます。

仮に今迄の環境に何らかの問題があったとしても、なかなかそこを離れるのには勇気がいります。

どんなに今の会社に不満があっても、辞める決心はなかなか付かないものです。

文句を言いながらも、今迄の環境に落ち着いてしまっているからです。

だからいざ転職を考える段階になって、「どうせ別の会社も同じだ」とか、「簡単に次の仕事も見つからないはずだ」などと、わざわざ転職を妨げるような言い訳を自分で見つけてしまいます。

会社や世間の不景気のせいにしていますが、単純に自分の中にある変化への抵抗の仕業にすぎません。

 

このような無意識の抵抗は、いろんな場面で働きます。

「マリッジブルー」なんていうのもそうだし、わが子の結婚に反対する親の心の中でも抵抗が働いています。

自分の夢がかなう寸前にで尻込みしてしまったり、やっと仲良くなった相手につい意地悪をしてしまった、なんていう経験をお持ちの方も多いでしょう。

 

そもそも無意識の抵抗というのは、自分の身を守る働きもしてくれているものです。

だからそれ自体が悪いものではないのですが、どうも肝心な所でその抵抗が働き過ぎる人も多いようです。

詳しくは別の機会に譲りますが、そのように教育されてしまっている場合や、そうやって様々なことから逃げる癖をつけてしまっている人がそうです。

この癖は、やはり修正していかなければなりません。

 

病気で辛くても、不幸な身の上であっても、それが現状だとすると、そこに留まろうとする働きがあります。

だからいくら治りたい、幸せになりたいと思っているつもりでも、それを邪魔する心が自分自身の中にあることを認識して、意識的にチェックしていく必要があります。

 

後戻りするようなネガティブな考え方や発言が癖になっていないでしょうか?

自分の不幸や病気をやたらと他者にアピールしていないでしょうか?

自分にはできない理由を考えていないでしょうか?

他人のアドバイスに「でも…」と答えていないでしょうか?

 

 

大きな変化には抵抗を起こす無意識も、少しずつの変化ならば受け入れてくれます。

だから、少しのことを大事にするのがコツです。

願望実現、問題解決の秘訣はそこにあります。

 

抵抗の強すぎる人は、物事がスムーズに運ばなくなってきます。

肝心な時に病気になったり、断れない用事が入ったり、事故を起こしたり・・・

実はこうした不可抗力的な出来事も、本人の無意識が引き寄せていることが多いのです。

 

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