感情の処理

今までに何度か、腹部は感情の表れやすい場所であるということを書いてきました。

簡単に言うと、怒りが沸々とわき起こってきた時というのは、パーンと張った風船のようにお腹の圧力が高まってきます。

悲しみの感情がわき起こったときなども同じで、泣き出す寸前の時などはそのような状態になっています。

そして、実際に泣き出すとその圧力は低くなっていき、お腹の固さが取れていきます。

 

腹にたまった不平不満をうまく吐き出せた時などにも、お腹がゆるんでいきます。

 

つまりお腹が張っている、固くなっている時というのは、そうした感情が行き場をなくして内に籠っている状態だということです。

さらに、古い硬直がお腹にこびりついている人というのは、そうした感情を長い間抑圧してきた人です。

そんな人の場合は、自分自身で「抑圧してきた」とか、「溜め込んできた」という自覚さえなくなっている場合が多いです。

 

では、そのような硬直をお腹に作らないためには、どうすればいいのでしょうか?

 

一つ考えられることは、感情を我慢しすぎない、ということです。

不平不満を押さえ込みすぎない、言いたいことを我慢しすぎない、ということ。

 

逆に言えば、自分の気持ちを素直に表現するということです。

これは案外難しいことです。

 

自分さえ我慢していれば、物事が穏便に済むことも多いでしょう。

また、言いたいことを言えば、相手に嫌われてしまう恐怖心もあるでしょう。

だから我慢していたほうが楽、と感じることもあります。

しかしその我慢も、繰り返してばかりいると、だんだんと内側にその感情が溜まっていって、凝固してしまいかねません。

 

そういう人にとって、自分の素直な気持ちを表に出すということは、大変勇気のいることでしょう。

だけど、その勇気こそが必要なこともあります。

 

しかし一方で、言いたいことを言う、素直な気持ちを表に出すということには、とても大きな問題点もあります。

それは、その「言いたいこと」が、実はその場の咄嗟の感情でしかない場合も多いからです。

そして、その感情をいつまでも持ち続けているのは、その人自身の都合によるものだからです。

 

例えば腹の立つこと、不満に思うこと、悲しくなるようなこと・・・

そういうことにも、もっと落ち着いて考えてみれば、実は怒るまでのことでもなかったり、自分にも原因があることであったり、という場合はかなり多いのです。

 

自分自身がそのいざこざの当事者である以上は、実は自分には見えていない、何らかの原因が自分の中にもある可能性が多いのです。

そのいざこざ自体が、自分を省みるきっかけを与えてくれていることも多い…。

 

しかし、ほとんどの場合、そのことは認めたくないでしょう。

「自分にも原因がある」「自分も変わるべきだ」などと認めたら、損をしたような気分にもなるでしょう。

できることなら、自分は限りなく100%に近い被害者であったほうがいい。

自分は何も変わる必要がなく、反省する必要もないほうが楽でしょう。

 

そのために、人は怒りや悲しみといった感情を手放せないのです。

感情というのは、重要な「武器」であり、「証拠物件」でもあるのです。

 

特にこういうタイプの人は、愚痴や泣き言、不平不満、陰口などが多い傾向があります。

要するに、いつも言いたいことを言っているのです。

なのにお腹が全然柔らかくならない。

 

むしろ次から次へと不満が沸いてきて、しまいには不満の矛先が自分には全く関係のないところとか、社会全体や政治にまで及んでいくという人もいます。

「武器」や「証拠」を、できるだけ多く集めて、常に武装しているのです。

 

こういうタイプの人にとって、「感情は溜め込んではいけない」「素直な自分の気持ちを抑圧するのはよくない」という言葉は、とても心地よく響くのです。

それは自分を正当化するのにピッタリの考え方です。

 

こういう人は逆に、わき起こった自分の感情を、少し冷静に捉えてみる、その理由に考えを巡らせてみる、相手の立場に立って考えてみる・・・などといった、心地よくない、勇気のいる姿勢が必要だと言えるでしょう。

 

逆に、普段我慢ばかりして、自分をもごまかしているような人は、「自分の考えを素直に言う」という、心地よくない、勇気のいる姿勢が必要だと言えるでしょう。

その勇気を出せない言い訳として、都合のいいほう、心地よい方をを選択してしまっているのです。

 

どちらにしても、余分な感情を手放すということは、勇気を持って一歩踏み出すということです。

それは決して、誰かが代わりにやってくれるものではなく、最終的には自分自身の決意と行動によってしか変えられないものです。

 

 

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