自分に全く自信がない、という人は多いと思います。
「全く」というと言い過ぎかもしれないんですが、でも大抵そういう人は「全く自信がない」と言います。
その人が本当に何もできないのなら、全く自信が持てないのもわかりますが、その人にもできることがあるから、今生きていられるわけですよね。
だから自ずと、「全く自信がない」というのは嘘になります。
たとえば、「ご飯を食べる自信がない」「日本語を話す自信がない」「歯を磨く自信がない」・・・
こういう人はあまり多くないと思います。
それでも、かなりネガティブな状態に陥っている人は、
「悩み事があるとすぐ食欲をなくしてしまうんです」
「話を組み立てるのが下手で、言葉もよく知らないし」
「すぐ虫歯になっちゃうんです」
等々、わざわざ「自信がない理由」を探してしまいます。
そういう人は、「自信がない理由探し」の天才です。
それもある意味、才能といえるかもしれませんね。
ただ、その才能を使う場所を間違っているだけで。
自分を許せない、という人がいます。
自信がないという人も、結局は自分を許せないのです。
失敗する自分を許せない。
失敗したら恥ずかしい、みっともない、周りに迷惑をかける・・・と考えてしまいます。
仕事でミスをする自分を許せない、ミスして悩んでしまう弱い自分を許せない、勇気を出せない自分を許せない・・・
そんな人は、少し視野を広げてみて、これが自分じゃなく、他人だったらどうか、と考えてみてください。
たとえば同じオフィスの人が、ちょっとした仕事上のミスをしたとします。
とはいえ、周りの人がフォローすれば、なんとか解決する程度のミスです。
本人も反省していて、「次は気をつけよう」と気を引き締めています。
あなたは、その人のことを許しませんか?
普段、「自分を許せない」などと考えてしまうような、繊細なあなたです。
きっとその人の苦しみを理解して、許してあげられることでしょう。
なのになぜ、自分の場合だけ許さないのでしょうか?
おかしいと思いませんか?
本当は、自分を許していないのは、あなたではないのです。
あなたの中に根付いている、あなたを評価している誰か、です。
それはあなたが育ってきた家庭で、あなたを評価してきた誰か、つまり、ほとんどの場合が親であり、周りの大人たちです。
時には友達や兄・姉といった目上の存在である場合もあります。
自分自身に対して許せない、と思うことは、おそらく自分自身が小さい頃、あるいは成長していく過程で、自分自身が誰かから許されてこなかったこと、です。
大人になったあなたは、もうそれを自分に許してもいいんじゃないでしょうか?
「他人のことなら許せる」という人は、本当は、自分が許されなかったことが、本当は許されるべきことなんだ、ということをどこかでわかっている人です。
そうでなければ他人を許すことができないはずです。
自分の生まれ育った環境の中では許されなかったこと、許されなかった考え方、価値観・・・
視野を広げて見ると、世間では許されていることばかりです。
それをそのまま、自分にスライドして当てはめてみれば、自分にも許されていいこと、自分にも許可を出せることが、だんだん増えていくはずです。
そして今まで許せなかったことを許してみると、こんどはどんどん新しい自分の世界が広がっていきます。
自分を変えたい、という人は多いかと思いますが、自分を変える=自分を許す、と言い換えてもいいくらいです。