自己暗示の恐怖…何をやってもダメな人

随分昔の話ですが、怪我をきっかけに体調を崩し、それ以来「不眠症になってしまった」という方が来られました。

その時の会話は、おおよそ以下のような感じでした。

 

「毎日どれくらいなら眠れているんですか?」

 『いや、全然寝られないんです。』

「全然っていうのは?」

 『一睡もできない日が続いてるんです。』

「え?一睡もできないってのは大変じゃないですか。
 いつ頃からそんな状態が続いてるんですか?」

 『だからもう、怪我をした日からずっとですよ』

「怪我をしたのは確か・・・」

 『はい、一年半ほど前です』

「つまり、それから一睡もしていないということですよね?
 普通、死んでますよね・・・」

 

 

実際、あり得ない話です。一年半も全く眠っていないなんて。

間違いなく、毎日何時間かは寝ているはずです。

 

おそらくスッと眠りに入れなかったり、夜中に目が覚めてしまったりということが繰り返されているのでしょう。

そして色々と考え始めてしまい、寝付けなくなっている。

しかりその分うたた寝をしたりはしているはずです。

そうでなければとても立って歩いたり、車を運転したりなどできないはずです。

 

実は、こういう言い方をする人は決して珍しくありません。

例えば「全く食べ物が喉を通らないんです」なんていう人もいます。

しかし、全く食べない日が何日も続いたら、普通はフラフラになります。

中にはけっこうポッチャリしているのに、そういうことを言う人もいます。

 

自分の辛さを訴えたくて、そのような大げさな言い方になってしまうのも分からなくはありません。

しかしこういうことは、実は自分自身にとって大変悪い影響を与えている、ということを知って欲しいのです。

 

こういう言い方をすることで、現実以上に事態を悪くしているのです。

ざっくり言うと「自己暗示」みたいなものです。

 

 

別の例で解説してみます。

 

例えば算数の苦手なお子さんが、頑張っても40点しか取れなかったとします。

逆に言えば、頑張ったから40点になったのであって、頑張らなければ20点だったかもしれません。

 

それを「なんだ!全然できてないじゃないか!」一喝したとしましょう。

これが間違った言い方だということはお判りいただけるはずです。

 

「全然できていない」というのは、0点のことをいいます。

40点とっているのですから、できている部分があるということです。

 

あるお店の店員が、目玉商品を100個仕入れたのだけど、あまり売れずに結局50個余ってしまったとします。

「全然売れてないじゃないか!!」と店長に怒鳴られたとします。

 

実際は半分売れたのだから、全然売れてないわけではありません。

 

「全然・・・」という言い方は、40点取った、50個売れた、このまぎれもない事実をもみ消してしまいます。

40点を0点に、50個を0個にしてしまうのです。

40点の努力を倍にすれば、80点になるかもしれません。

50個売った努力を倍にすれば、100個売れるかもしれません。

 

しかし、ゼロを倍にしてもゼロです。

 

「全然できてない」と言われた子どもは、勉強をする気を失くすでしょう。

「全然売れてない」と言われた店員は、もうその商品を仕入れないでしょう。

 

「全然眠れない」「全然食べられない」・・・

このようなことを自分に言い聞かせてはいけないのは、そういう理由です。

 

「全然」なんていうのは嘘です。

冷静に現実を見て、実際には少しでも眠れていること、ほんの僅かでも食べていることをしっかり確認してください。

そうすると、体もそのことを分かってくれます。

 

「調子が悪くて、何もやる気がしないんです」なんていうのも嘘です。

トイレに行く気もしないのしょうか?

ご飯を食べる気もしないのでしょうか?

テレビを見る気もしないのでしょうか?

 

とことんそうやって現実を追いかけていくと、「できない」と言っているのは自分自身の勘違いであり、嘘だということがわかるはずです。

 

 

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