アトピーと整体(野口整体)

時々、「アトピー性皮膚炎は整体でよくなりますか?」といった質問を頂きます。

また、「『野口整体』でアトピーが良くなると聞いたんですが?」とも。

 

『野口整体』の中で、「皮膚病一切奇妙」と称された、皮膚病が一切治ってしまうかのように言われている調整法があります。

それは恥骨(骨盤の前面)を刺激するような方法で、市販の書籍『整体入門 』にも掲載されています。

これを読んで、「アトピーが良くなる」と思い、あるいは誰かにこの方法のことを聞いて、当塾に質問してこられた方もいらっしゃったようです。

 

ただ、あくまでも当塾の経験でしかありませんが、これでアトピーが良くなったという実例には出会ったことはありません。

まぁ、実際に本で読んだだけでは、呼吸のタイミングとか、押さえ方とかが分からないというのも事実でしょう。

だけど、実技指導を受けたとしても簡単ではないようです。

自分自身で試してみても、また当塾でも何度も試していますが、「これでアトピーがよくなる」とはとても言えないのが実際のところです。

ちなみに、そういうわけで当塾ではこの方法を奨励してはいませんが、これはあくまでも当塾での経験上での見解です。

単に、当塾の力不足かもしれませんので、正しく習いたい方は、然るべき手順を踏んで「整体協会」などをお訪ねいただくなり、「皮膚病一切奇妙」を教えてくれる先生を捜してください。

 

アトピーに対する情報は年々多くなり、その治療法、予防法なども多岐にわたって来ているようです。

その結果、逆にアトピーそのものの原因や症状自体が複雑になってきているようにも思うのです。

というのは、アトピーを初めとする子供の皮膚病には、かなり多くの割合で、心理的なものが背景にある、と当塾では捉えているからです。

 

もちろん、身体の面からみれば、アトピーの症状を持つ子に共通している点がいくつかあります。

代表的なところでは呼吸器の問題、肝臓の問題、リンパの問題・・・など。

しかし、その呼吸器や肝臓、リンパ系の問題自体が、実は心理的なものによって起こっている場合が多いのです。

 

一例をあげると、腹部の硬直という問題があります。

人は強く我慢をする時に、お腹に力を入れます。

「泣きじゃっくり」というものがあるでしょう。 泣きながら「ヒクッ、ヒクッ」と、しゃっくりのような症状をおこすものです。

この泣きじゃっくりがなぜ起こるのかというと、それは泣きながらも、泣くことを抑えようとしているからです。

抑えずに思い切り大声で泣けば、泣きじゃっくりは起こりません。

しかし、「泣いていたら怒られる」とか、「ここで泣いたら弱虫だ」というような思いがあって、抑えようとするから起こるのです。

 

抑えようとすると、お腹に力が入ります。

特にお腹の上部、ろっ骨の際の部分に強く力が入ります。

すると、この付近にある横隔膜が強く緊張するのです。 その結果、しゃっくりのような状態になります。
(本物のしゃっくり自体が、横隔膜の痙攣によって起こるとされています。)

 

今までに見てきたアトピーの症状を持つ人のほとんどが、常時このお腹の上部を緊張させているのです。

ここを緊張させているということは、本人の自覚とは裏腹に、無意識のうちに何らかの心理的な抑圧(我慢)を抱えている、ということが言えます。

また特に右側が強く緊張している場合が多いのですが(多くの人が、右のほうが力を入れやすいため)、右の上腹部は、肝臓のある場所です。

同時に、上腹部はろっ骨の際になるわけですから、ろっ骨の動きにも大きく影響しているわけです。

こうしたことからも、肝臓への影響、ろっ骨部に多く存在するリンパ管の流れ、そしてろっ骨内部の呼吸器…これらとの関連性がうかがえます。

もちろん、これらも側面の一つでしかありませんが。

 

ともかくアトピーというのは、単に疲れた臓器を整えればいいとか、食事を改善すればいいとか、そういう単純なものではないことは、既にアトピーでお悩みの方は充分経験済みだと思うんです。

ですから当然、「野口整体」系の整体に行って、恥骨の調整をやってもらえば一切奇妙に治る!…なんていう単純なものでもないんです。

もちろん、野口整体というものが、「恥骨の調整だけでアトピーが治りますよ!」と公言しているわけではないと思います。

そんな単純なものではないことは、本当の「野口整体」系の人であれば、よく分かっていることでしょう。

だけど、本を読んだり、噂を聞いたりする側の人が、そのように誤解している面もあると思うんです。

 

とにかくアトピーの背景には、色々な問題が潜んでいます。

「単に親の体から受け継いだ毒素などの排泄だ」という面もあるでしょう。

だけどそれなら、幼いうちにある程度出し切ればそれで終わるものです。

でも、それだけでは終わらない症状の人のほうが、今は多いのではないでしょうか。

 

アトピーという症状を通して、その目に見えない心の部分も含めて、本人の体が何を訴えているのか、それを探っていく作業が必要なんじゃないかと、当塾では考えているのです。

だから特にお子さんのアトピーの場合は、食事の内容そのものよりも、食事に対する考え方、こだわりや制限によるストレスといった心理面、さらには家族関係などの面も含めて、じっくりと、今までと違う視点から見ていかなければならないと思います。

ですので、当塾では、お子さんが整体を受けるに当たっては、お母さんにも必ず受けていただくよう、お願いしています。

こう言われると、まるでお母さんの責任であるかのように、不快に思われるかもしれませんが、やはりお母さんの影響力は絶大なのです。

どうぞお子さんの症状を通して、お母さん自身も、そしてもちろんお子さん本人にとっても、今までよりも過ごしやすい体、心を育てていって頂きたいと思います。

 

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