暗示、心理的効果と愉気

体と心の話

当塾に整体(個人指導)を受けに来られる方から、「昨日までは体調が悪くて苦しかったのに、今日ここに来る前に楽になってしまった」というようなことを言われることがあります。

極端な人だと、「予約の電話を入れたら、楽になってしまった」という例も。

 

嘘のような話ですが、本当の話です。

しかも一度や二度ではありません。

 

お察しの通り、こういうことは心理的な変化が要因となって起こっていることです。

暗示効果、自己暗示的なものといっていいでしょう。

行けば楽になる、整体を受けることで体の状態が変わってよくなるはずだ、と潜在意識の中で思った結果、まだ受けていないのによくなってしまったわけです。

 

または、安心感によって心身の緊張が解き放たれ、楽になってしまったのでしょう。

 

ただこういうことが起こるということには、重要な意味が含まれています。

まず一つには、そのような信頼関係が両者の間に出来ている、ということが前提であるということ。

クライアントさんとそういう関係を作っておくことも、施術・指導の一環であるということなんです。

これも心理指導の技量の一つといっていいでしょう。

 

もう一つの重要な意味は、本当は、心理的な変化や暗示によってよくなってしまうのではなく、逆に、心理的な要因によって、普段は体を悪くしているのだということです。

その強い思い込みや緊張感、必要以上の不安・・・普段日常の中で、そういう余分なものを抱えているせいで、体調がおかしくなっているのだということなんです。

整体の予約をしたとか、電話で声を聞いたとか、そういうことがきっかけで、それらの余分なものがふと外れて、心身が正常に戻っただけ、ということです。

 

全ての病気や体調不良がこういうものだとはいいませんが、実はかなり比率が高いのではないかと思うのです。

愉気というものが様々な物理的な療法よりも功を奏すことが多いのも、こうした目に見えない要因が背景にあるからだと、当塾では考えています。

それは、「愉気」の効果が暗示によるものだというものではなく、目に見えない強いコミュニケーションが、人と人との間には存在して、それを現実的なものとして表すものが、技術というものだと思っています。

 

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