本当にやりたいこと

かなり前に、小さなお子さんが整体を受けに来られていて、色々お話をしていたんです。

その会話の中で、アニメの話をしてみました。

当時確か「セーラームーン」が流行っていたんだと思うんですが、「○○ちゃんはセーラームーン見てるの?」と聞いてみたんです。

するとその子は、あまり好きじゃない、と言うんです。

それは珍しいなぁ、と思いながら、「じゃぁ、“□□レンジャー”とかも嫌い?」と聞いてみると、やはり嫌いだというんです。

・・・まぁこれは男の子向けだからどうかとも思ったんですが。
するとお母さんが、「戦いのシーンとかがあるでしょう?ああいうのが乱暴で、好きじゃないみたいなんですよ」と、少し得意気に説明してきます。

「それじゃ、○○ちゃんは何が好きなの?」と改めて聞いてみると、子ども向けの教育系のアニメとか、何かそういう番組名を二・三あげるんですが、何となく考えながら答えているというか、お母さんを意識しながら答えているというか、そんな感じがしたんです。

 

これは私の推測でしかありませんが、もしかすると、セーラームーンや□□レンジャーの戦いのシーンが嫌いというのも、実はお母さんの影響なんじゃないか、と思えたんです。

まさかお母さんは「あんなのは乱暴だから見てはいけません」なんて言いはしないだろうけど、それとなく、そういう番組を嫌な目で見ていたのかもしれません。

もしくは、そういうのを見ている子ども達を、しかめっ面で見ていたのかもしれません。

 

こういう事は何度かあって、たとえば「どんな食べ物が好き?」と聞くと、お母さんの顔をチラチラ見ながら、よく考えて答える子も多いです。

自分が子どもの頃もそうだったかも知れません。

 

 

話は変わりますが、近年の願望実現とか自己実現セミナーなんかで、「自分の好きなこと、やりたいことを仕事にする」とかいうのがありますよね。

しかし、「自分が何が好きなのか、何がやりたいのか分からない」という人も多いようです。

 

そこで、自分が本当に好きなことを見つけるワークとして、「子どもの頃に好きだったこと、子どもの頃に得意だったことなどを書き出してみましょう!」なんていうのがあります。

でも、実は子どもの頃に「好き」と思っていたことだって、そして得意だったことだって、さっきの例のように本物ではない場合も多かったりします。

というか、「自分が何が好きなのか分からない」という人こそ、子どもの頃から本当に好きなものを覆い隠してきたことが多いはずです。

そしてそういう人がセミナーに出て、高尚な目標を掲げるわけです。

「○○の仕事を通して、社会に貢献する」「□□の活動によって、世界中に笑顔を届ける」・・・

いや、もちろん社会貢献や世界中に笑顔を届けるような活動は、とても立派なことだと思うんですよ。

そして、本気でそれに取り組んでいる人達がいることももちろん知っています。

ただ、つい先日まで「やりたいことが分からない」と言い、そして自分の人生や人間性に疑問を持ち、自信をなくしていたような人が、急にそんなことを言い出すほうが私は信じられないのです。

それよりも、「女の子とデートできるようになりたい」とか、「モテたい」とか、「周りの人にもっと認められたい」とか、そんな事を言い出す人のほうがよほど素直に思えるんです、私は。

まぁ、私自身がそうだからかもしれないですけどね(汗)・・・いや、あの、モテたいっていうか・・・まぁそりゃぁ、チヤホヤされれば嫌な気はしないですよ(笑)、正直なところ。

 

この仕事を選んだ最初の動機も、本当は「世の中の苦しんでいる人達を助けたい」とかじゃないんです。

自分が苦しくて、それで楽になりたいと思っただけです。

そしたら体や心の世界っていうのは興味深くて、もっと突き詰めると面白い!突き詰めたらカッコいい!と思っただけなんです。

 

今となっては、「体や心の本当の仕組みを解き明かして、伝えていきたい」・・・とか言うとカッコいいんですが、どちらかというと、誤ったことばかり押し付けている人、受け売りで分かったフリして言っている人とかを見ると、腹が立って仕方ない・・・という気持ちも強くあるからなんです。

 

だけどそういうのは、「低俗」だなんて思われるんでしょうかね。

そういう気持ちや願望を持っちゃいけないかのような雰囲気って、ありますよね。

だけど、本当にやりたい事、好きなことを見つけることの第一歩っていうのは、本当はそんなことなんじゃないでしょうかね?

本当はポルシェに乗りたい!とか、50代だけど実はジャニーズが好き!とか、合コンをしてみたい!とか、成功して注目を浴びたい!とか・・・
人様に迷惑をかけるとか、生活が破綻するようなことじゃなければ、そういうことに素直になってみることのほうが、よほど心も体も健康的だと思うんですよ。

 

こういうのって、「子どもの願望だ」なんて揶揄されがちですけど、こういう子どものような純粋な願望を持つ事を、実は真剣に経験していない人も多いんじゃないでしょうか?

 

ところで、社会奉仕活動をしている人とか、後進のサポートをしている文化人や事業主の人とかが、ときどき私生活を暴かれることがありますよね。

普段は高級外車を乗り回し、高級クラブで豪遊・・・とか。

でももしかすると、そういう人達は、そうやって自分の好きなことをたっぷり出来ているから、奉仕活動や他者のサポートに力を注げるのかも知れないですよね。