夏の暑い時期には熱中症対策として、じゅうぶんな水分補給が必要だと言われています。
それと同時に、適度な塩分の摂取が必要だということも皆さんご存知のはずです。
これからの話は、十数年昔の体験談です。
真夏のある日、炎天下の中、屋外で丸一日作業をするようなことがありました。
飲み水と何か塩気のあるものを持っていこうと朝準備していたのですが、たまたまその前日、実家から瓜の浅漬けを大量にもらったので、差し入れとしてそれを持っていくことにしました。
そして昼食の時間となり、クーラーボックスから「よかったらこれ食べてください」とその漬物を出したところ、居合わせた人たち(5人ぐらい)が一斉に勢いよく手を伸ばしてきました。
喜んでもらえて本当によかったのですが、一瞬でその漬物がなくなってしまったことには驚きです。
よほど美味しそうに見えたんでしょう。
朝から大量の汗をかき、体が塩分や水分を欲していたんでしょうね。
かといって、そこで皿に盛った塩と、コップに入った水を置いておいても、このように一斉に手が伸びてくることはなかったはずです。
食塩水や経口補水液を置いておいても、そうはならなかったでしょう。
汗をかいたら、塩分と水分が必要になることは間違いありません。
でもそれは、単にそれらの成分さえ摂取すればいいという問題ではないと思うのです。
「美味しそう」とか「美味しい」という感覚、それを大事にし、育てるということは、心身の感覚をみずみずしく保つ上で非常に重要だと思います。
それに、体が喜ぶような補給の仕方をした時とそうでない時とでは、吸収力が違います。
当然、それによる疲れの取れ方も違うでしょう。
自ずと感謝の気持ちも湧くでしょう。
日々の食事についても、同じようなことが言えると思います。