天職

先日ある人と話をしていまして、
「もし生まれ変わったら、または全く別の人生を生きることになったとしたら、何の仕事をしたいですか?」
というような話題になりました。

それで私は、ほとんど考える間もなく、「音楽関係かな」と答えていました。

一応、「今とは別の人生」という前提での話だったとはいえ、今の仕事に直接関係することが全く頭によぎらなかったことは、後々考えてみると少々ショックでもありました。

 

整体の最中に、仕事の話になることが度々あります。
特に「ストレス」などの話になるとその傾向があります。
仕事上の人間関係とか、仕事のやり甲斐とか、目標と現実との違いとか・・・。

特にやり甲斐や目標の話となると、私の仕事について色々尋ねられることも多くなります。

「何がきっかけで、この仕事を始めたんですか?」とか、
「今の仕事が、『天職』なんでしょうねぇ」とか。
私はこの仕事を、もちろん自ら選んで続けているわけですし、今現在、他の仕事をやろうという気持ちは全くありません。

今までに、この仕事が続けられないかもしれない、というような状況に陥ったこともあるんですが、その時も、「他の仕事に乗り換えよう」なんていう気持ちには、とてもなれませんでした。

これは決して、カッコいい話じゃないんです。
ただ単に、あきらめが悪かっただけかもしれません。
それよりも、正直な所、他の仕事を今から一から始めるような馬力と自信が、私にはないんだ、という気もします。
だから今の仕事に「しがみついている」だけなのかも知れない、とも思うんです、実は。
いずれにしても、これが『天職』なのかどうかは、正直なところは分からないんです。
私は、『天職』っていうのは、『好きな仕事』とは限らないと思うんです。

『職業』『生業』とも限らない。

これは特に、「天職とは思えない」ことを理由に、今従事している仕事を真面目にやらない人たちに対して、声を大にして言いたいです。
そもそも『天職』っていう考え方自体が、妙なものだと私は思うんですよ。

天職という以上は、天から与えられた、運命のようなものでしょう?
この世に生きている上での役割のようなものでしょう?

そんなの、選り好みすべき物じゃないはずですよ。
好き嫌いで選んで良いものではないはずです。
もし『天職』というものが本当にあるのだとしたら、それは、縁あって自分の目の前に表れた仕事が全て『天職』だと思うんです。

仮にその仕事がつまらなくて、その仕事で苦しい思いをして、それでどうしても短い期間しか続けられなかったとしても。

その仕事での苦しみでさえ、自分にとっても、その職場にとっても、絶対必要なものだったはずです。
だから、本当に『天職』に出会いたいんであれば、今目の前にあることに精一杯取り組むこと、これが一番じゃないんでしょうかね?

まぁ、『天職』という言葉に強いこだわりを持っている人には、こんな考え方にとても賛同してもらえないかも知れません。

だけど、「天職に出会うセミナー」に出て、自分の好きなことや、今までに楽しかった経験をノートに書き出したとしても、そんな所に「天の声」は表れないと思うんですよ。