応急処置

随分前のことですが、当時まだ1歳のお子さんが、突然お母さんに連れて来られました。

当塾の個人指導(整体)は昔から予約制で、お母さんも何度か整体を受けた経験がありますから、そのことはご存知なのですが、その日は何の連絡もなくひょっこり現れたのです。

しかも、いつものような丁寧でにこやかな挨拶もなく、無言で中に入ってこようとしています。

何か様子がおかしいと思って、「どうかしたんですか?」と尋ねると、「子どもがやけどをしたんです」と、明らかに動揺したような声で答えるので、少しだけ待ってもらって、急遽お子さんに整体をすることになりました。

 

話を聞くと、火のついたストーブに思い切り手をついてしまったとのことでした。

かなり広範囲に肌の色が変わってしまっていました。

そこで、整体流のやけどの応急手当てというものがありまして、それを行いました。

ただ、可哀想ですが、その場で痛みが取れたり、瞬間的に皮膚が治ったりするというわけではありません。

でもこれをやっておくと、薬を塗ったりするよりも治りは早く、あとが残りにくいのです。

もちろん火傷の度合いによっては跡形も無く・・・とはいきませんが、この子の場合、その日一回の手当てだけで、次に(一ヶ月程後?)お会いした時には奇麗に跡形もなくなっていました。

今頃、本人は覚えてすらいないでしょう。

 

この日、お母さんの動揺はかなりのものだったようです。

手当てが終わる頃には随分落ち着いていて話も聞けたのですが、当塾に来るつもりで家を出た覚えがない、というのです。

しかも、整体には「火傷の応急処置」なんていうものがあるということ自体、知らなかったはずです。

でも気がついたらここに来ていた・・・というような感じで、確かにドアを開けて入ってきた時にはボーッとしていて、明らかに様子が変でした。

火傷をした子どもの手を見て、とっさに、本能的に足が向いたのでしょう。

そういう信頼関係が出来ていたという前提があって、そしてお母さんの安心感もあって、こうした心理的な面も、お子さんの傷を良くするのに影響したのかもしれません。

 

 

ところで、整体というのは「病気治療」ではなく、「体づくり」「体育」だということを、当塾でも度々言っています。

ですが、実際にはこのような応急手当てのような技術というのも多くあります。

整体も、元をたどれば様々な治療術(手技療術)を土台にしていたものですから、当然といえば当然です。

で、こういう応急手当てというのは、意外な結果をもたらすことが多くあります。

上記の火傷の例などもそうですし、虫さされとか、切り傷を作ったときとか。

原因にもよりますが、気を失った時とか、てんかんの発作が出た時なども、不思議と回復します。

 

ただ、これらは、臨時のものほど効果が出る、という傾向が強いのです。

「臨時」というのは、体の外から原因がふりかかってきた場合のものです。

虫さされ、切り傷、火傷なんていうのは、完全に体の外に原因があるものですよね。

猛毒をもつ虫や蛇に噛まれた場合は例外ですが、それほどではないものならば、外から入った毒と体は戦い、やがて排泄しようとするものです。

その排泄を促すようにすれば、やがて治っていきます。

刺された場所が化膿するのは、そういう作業が行われている証です。

火傷や切り傷による皮膚の損傷も、ある程度ならば、体が自発的に元に戻してくれます。

人工的に手を加えてしまうと、元の形とは違う状態になってしまいますが、自然な働きを遂行させれば、奇麗に元通りになります。

 

食中毒なども同じで、O-157などの強力なものは別ですが、ちょっと悪いものを食べた程度ならば、吐き出したり、下痢をしたりして、悪いものを大概に排泄します。

体はダメージを受けてしばらくはつらいですが、それもやがて回復していきます。

 

一方、こういった外からの刺激による症状ではなく、体の内側に原因があるものについては、なかなか簡単にはいきません。

代表的なのがギックリ腰です。

「重いものを持った時に」とか、「無理な姿勢を取った時に」という場合も多いですが、しかし実は、ほとんどのギックリ腰が、長年の体の疲れ、歪み等の結果起こっているのです。

重いものを持ったのが「たまたま」きっかけになっただけで。

だから、こうした腰の痛みはなかなかその場ですぐには取れません。 (軽減はしますが。)

本当に良くしていくには、体をもっと根本的に改善していかないといけません。

 

同じように、寝違えなども、実は臨時の症状とは限らないのです。

もっと体全体の問題が背景にある場合のほうが多いです。

先ほど書いた「てんかん」の発作についても、本当は臨時のものではなくて、多くの場合が「持病」ですから、根本的にその場ですぐ良くなるというわけではありません。

ただ、発作自体は案外スムーズに止まることがあります。

その代わり、持病の場合はそれを繰り返すことにはなるでしょう。

 

本当にその場限りの一時的なてんかん症状や失神であった場合は、応急手当てだけで済むでしょうし、ぎっくり腰や寝違えなども、本当にその時の姿勢だけが原因であった場合は、かなり早く楽になります。

 

捻挫も臨時の症状と言えますが、これは少々複雑です。

捻挫をするということ自体、既に体がバランスを崩していることが原因、ということができます。

例えば右足首を捻挫した場合、普段から右足に体重がかかりすぎていて、そのため転びやすくなっていて捻挫したとか。

そういう場合は、足首だけが治ればそれでいい、という訳ではありません。

そのバランス自体を治さないと、なかなか捻挫もよくなりません。

というより、捻挫をすること自体が、バランス調整になっている、なんていうこともあります。

そして案外、足首の動きというのは頭の中の状態と影響しあっていて、心理的・精神的な状態が現れる場所でもあるのです。

そのため、応急手当てだけでOK、といかない場合も多いのです。

 

 

臨時の症状といえば、打撲があります。

これも少々複雑でして、度合いによっては、打った所以外の場所に影響することがありますから、軽視できません。

以前見たことのあるお子さんは、倒れてきた家具が後頭部に当たり、脳しんとうを起こして倒れてしまったのですが、その影響が打った反対側、顔に出ていたのです。

頭の中を衝撃が貫通してしまったのでしょう。

後日顔が腫れて痛いと言っていましたが、それでも、頭の中で衝撃が止まってしまわず、貫通してくれたので良かったのです。

中で止まっていたら、脳にダメージを与えていたかもしれません。

 

こういう場合、病院で出来ることというのは少ないようです。

ですが、こういう場合に最も効果的なのが、一番シンプルな手をあてるだけの「愉気法」です。

打撲の度合いによっては長い時間をかけることが必要ですが、誰にでもできるこの方法が、意外にも最も大切な処置なんです。

ぜひ、特に子育て中のお母さんは、愉気法を覚えてください。

また、こうした応急手当ても、今後整体法講座の中で紹介していくことになるかと思います。

金沢教室でもご紹介します。

遠方の方にはDVDで独習されることをお勧めします。やり方は実は簡単です。

 

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