変わった子

体と心の話

ある女の子が、ボロボロになった人形をずっと手放さないというのです。

顔も黄ばんでしまい、着せられた服も汚れています。

お母さんとしては、気持ち悪いしみっともないものだから、早く捨ててしまいたくて、新しいのを買ってあげようとするんだけど、絶対にいらないというのです。

 

いつも時間をかけて人形の髪をとかし、服の乱れを整え、決まった位置に座らせておくそうです。

母親から見れば、髪も衣服も乱れているようには見えないし、整える前と後でも全く違っているようには見えません。

なのに娘は何度も気にしては整えている、というのです。

 

また、掃除をしようと、娘が見ていない間にその人形を動かし、ちゃんと元に戻しておいても、何かが違うとバレてしまうのだそうです。

母親は元の位置に戻したつもりでも、僅かな違いを気にするのだそうです。

 

そんな娘の様子が、お母さんは全く理解できません。

新しくてもっと可愛い人形を買ってあげるというのに、なぜ嫌がるのか・・・

ほとんど違いの分からない髪型や服装の乱れを、なぜいつまでも直しているのか・・・

 

自分自身の子どもの頃のことを振り返ってみても、周りの子ども達の様子を見てみても、なんかうちの子は違う・・・

この子は、なんか問題があるのではなかろうか??

最近よく問題になっている「○○障害」とか「○○症候群」とかいうのではないだろうか??

 

そんなことが気になり出すと、ますます娘の行動が気になってしかたありません。

今日もまたいつものように人形の髪をとかしている。

「気になる」どころか、だんだん嫌になってきます。

 

そんな娘の姿にイライラしてくる。

「いい加減、そんな気持ち悪いことはやめなさい!」なんて言いたくもなってくる。

 

強引に人形を捨ててしまったほうがいいのだろうか?

もっと強く言い聞かせてやめさせないと、本当に周りの空気が読めないおかしな大人になってしまうんじゃないだろうか??

幼稚園で孤立してしまったり、みんなから白い目で見られたりしないだろうか??

 

いろんなことが気になり始めてしまいます。

 

さらには、いつも決まった服ばかりを着たがることも、もうサイズが小さくなっても同じ靴を履きたがることも、大事なオモチャをいつも棚の一番奥に隠しておくことも、全部異常な行動に見えてきてしまいます。

 

 

しかし、『体癖』という概念をある程度知っている人にしてみれば、これは異常でもなんでもないことがわかるはずです。

たまたま、お母さんにはない感性を、この子は持っているだけ。

この女の子の場合、これが普通なんです。

 

このような子(子どもに限りませんが)は、元々集中力が強くて、気に入ったものをとことん大事にし、他のものにはあまり関心を持たず、自分の中の理想の状態に近い形で保っていたいのです。

もっと広い目で見ると、このようなタイプの子は別に珍しくもありません。

たまたま自分の家系にはそういう子がいなかっただけで、探せば世の中に沢山います。

 

たとえば学校では、クラスに一人や二人はいるのではないでしょうか?

クラスに一人、二人というのは少ないように思えるかもしれませんが、全校生徒の中には何十人かいることになります。

別に少なくもありません。

 

そのようなタイプの子同士は、見た目(体型、顔つき)も似ています。

見た目が似ているということは、「体のつくり」が似ているということです。

体のつくりが似ているということは、その体が持つ機能が似ている、ということです。

 

つまり、その体は、そのような感性・性格に合うような体だということです。

そして、生まれつきそのような体で生まれたのだから、できるだけ、その感性・性格を押さえつけずに育った方が、伸び伸びとその子らしく、元気にいられるということなんです。

 

ところが、このことを知らないでいると、親は「自分と同じように育てなければいけない」とか、「他の子と違うような所は直さないといけない」と思ってしまいがちです。

とはいえ、あまりに自分の好きなことばかりに没頭していたり、他のものに興味を持たなかったりしたのでは、確かに社会性・協調性の問題というのは出て来るかもしれません。

しかし多くの場合、その子が本当におかしくなっていくのは、その元々持っている性格・感性を無理矢理変えさせられた場合です。

押さえつけられたものは、必ず内部で歪みが生じ、その出口を探して暴走を始めるようになります。

出口を押さえつけられたホースのようなもので、コントロール不能な状態で暴れ出してしまいます。

 

と同時に、「自分の感性は間違いだ」「自分は異常だ」という観念を植え付けられることになります。

自分自身を疑い、自分に対する自信などというものを無くし、自分は不要だ、自分は対して大切ではない人間だ・・・などと思うようにもなってしまうでしょう。

 

自分がそうであるならば、自分意外の人間に対してもそうでしょう。

世の中全体に対しても、そのように感じるでしょう。

自分や他人の人生を台無しにしてしまうようなことをやらかす人が多いのは、そのせいなのではないか、とも思うんです。

 

 

ちなみに、この「タイプ」というのは他にもいくつか存在します。

人をこの「タイプ」という枠にはめて見ることはあまり好ましくないことかも知れませんが、人と人の『違い』を知るためには、まずある程度の基準となる枠が大いに役立つこともあります。

 

もちろん人間というのは一人一人が違います。

言うまでもなく、全く同じ人は一人としていません。

がしかし、ならばその一人一人の違いというのを、私達はどれだけ把握し、認めることができているのでしょうか??

 

何を基準にして「違い」とか「個性」と認めることができるのでしょうか??

もっと体系的に、理論的に、その「違い」とか「個性」の本質を学ぶことが、これからの時代には特に大事なんじゃないかと思うのです。

多くの場合、その違いの本質を知らないが故に、お互いを認められずにいるのではないかと思うのです。

 

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