適切な腰の反り・弾力と「反り腰」との違い

身体のしくみ

人間の腰には腰椎3〜4番を中心とした適度な反りがあり、その反りによってクッション性が生まれ、しなやかな体を保てるようになっています。

この話をすると、「それは“反り腰”とは違うのですか?」ということを時々聞かれます。

「反り腰」という言葉は、もしかするときちんとした定義がなく使われているものなのかもしれませんが、おそらく通常は過度に反り過ぎた腰、という意味で言われているのだと思います。

もちろん度を超しているのはよくないですね。

よくない腰の反り方でよくあるのは、腰が過度に反っていて、下腹が出ているような状態です。

(もちろん太っているという意味ではありません。)

これは腰が反っているというより、腰の力が抜けてしまい、下腹〜特に恥骨あたりが前に飛び出ているような状態になった結果、腰が反っているように見える状態になっている、つまり腰に力がない状態です。

そういう人は膝が曲がり、上半身は後ろにのけぞるように傾いています。

そうなると当然膝にも負担がかかり、やがて膝を痛めることになります。

その前に腰に痛みが出る場合が多いですが、中には腰の痛みは特に感じず、膝にのみ出るという人もいます。

そしてのけぞった上半身を支えるために肩甲骨や背中には常に力が入り、その結果肩や首が痛い、腕の問題などにつながっていくケースもあります。

おそらく「反り腰」と言われるような、よくない反り方のイメージは上記のような感じだと思います。

腰にしっかりと力がある人の場合はこうはならず、膝がしっかりと伸び、上半身もまっすぐ上に伸びています。

まっすぐ伸びてはいますが、(横から見て)背骨が適度なS字を描いて胴体をまっすぐに支えている、という構造になっています。

腰の力が抜けている人、膝が曲がり、上半身が後ろに傾いた状態というのは、お年寄りによく見られる姿勢ですね。

これを防ぐためには日頃から腰の弾力、柔軟性を維持する体操等がおすすめですが、まずは当ホームページで紹介している基本体操にその要素が詰まっていますので、ぜひ実践してみてください。

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