前回の「暑い時期の脚、尻のだるさ」の話の続きです。
夏の疲れ(主に呼吸器や腎臓の疲れ)が原因となり、お尻(骨盤)が下がり、太もも(お尻の下)がだるくなる人が増えるといった話でした。
これは坐骨神経痛と言われるような症状として出る場合もあります。
腰~お尻、脚に痛みやしびれなどの違和感が出るというものですね。
また、人によっては直接腰に痛みが出る場合もあります。
呼吸器や腎臓の疲れによる背骨の湾曲は、背骨の一番端である腰椎4、5番から仙骨にかけて、もっとも圧が集中する結果になるからです。
少し話は逸れますが、ここで一番端といいながら4、5番と2箇所を表記したのには理由があります。
本来一番端である腰椎の5番という骨は、半分骨盤にめりこむように位置しています。なのであまり可動性がないのですが、そのかわり一つ上の4番と5番の間に、強く歪みが集中するということになります。
「椎間板ヘルニア」という症状は背骨の間にある椎間板がはみ出て起こる症状だと言われていますが、この症状が腰椎の4番と5番の間で最も起こりやすいのがそのせいです。
多くの腰痛が、この4番、5番がセットで異常を起こしていることに起因しています。
話を戻しますと、そうした腰や坐骨神経痛の症状とは別に、この状態が長引くと、膝に痛みが出るケースもあります。
図のように、腰が下がると、バランスを保つために膝を曲げなければなりません。
こうした状態が続くと膝を痛めることになるんですが、これはある程度長い時間かかってのことです。
また、若い人だと膝を曲げずに足を開いたりしてバランスをとろうとするので、膝に異常は出ないけれど、O脚気味になるということがあります。
こうした流れによって膝に症状が出やすいのは、夏の後半から秋にかけてです。
これは夏の間の疲れが続いて出た症状です。
実際、秋になると膝の痛みを訴える人が多くなります。
膝が痛む頃には、膝より上の腰、背骨等の疲労が限界値をとっくに超えているという状況ですから、改善するのにはなかなか時間がかかります。
こうした季節性の原因以外の場合でも、膝の痛みというのはそういう背景と歴史があるので、膝の症状は全体的に大変なのです。
ほとんどの場合、膝そのものに原因があるわけではないので、膝の対症療法を続けていても改善には至りません。