心の声、天の声〜「潜在意識」論の落とし穴

体と心の話

何か悩み事があったとき、問題が起こったとき・・・

「自分の胸に手を当てて、素直な心の声を聞いてみましょう」みたいに言われることがあるでしょう?

その声が、「潜在意識」からの声なんだ、と。

 

あとは「答はいつも自分の内側にあるのです」「既に答えはそこにあるのです」とか。

 

こういう言葉というものは、いろんな角度からの解釈ができますから、何が正しいとか間違いだとか、一つの角度から決めつけられるものではないんですけどね。

ただ、「自分の心の声」というものは、多くの場合、自分に都合のいいように聞こえてくるものも多いわけです。

これはじゅうぶんに気をつけなければなりません。

 

都合がいい自分の声というのは、つまり「逃げ道」です。

悩みや問題の責任を負わなくていいように、頑張って今の自分を変えなくていいように、そういう無理をせず、頑張らず、楽に今のままでいてもいいという「言い訳」が聞こえてきたりするんです。

 

だけどそれが「言い訳」だなんていうことを認めたくはないものだから、最もらしい理論を構築して、それが正しく感じられるように出来上がったもの、それが「自分の心の声」とか「内なる声」として聞こえてきたりするわけです。

そういう都合のいい勘違いを起こすのもまた、潜在意識のしくみの一つです。

 

そういう潜在意識の働きが強くなってくると、それが本当の声として、耳に聞こえる実際の声として聞こえてくることさえあります。

もちろん幻聴ですが。

 

さらにひどくなると、内なる声どころか「天の声」とか「お告げ」といった、何か神秘的なもの、偉大なる神聖なものとして聞こえてくるようになる人さえいます。

そういう声を聞いてしまうと尚更危険です。

何と言っても、本当に聞こえてくる上に、全て自分にとって都合のいい声が聞こえてくるわけですから。

まさに自分が探し求めていた答えに出会ったような気がしてくるのです。

もちろんそれも、勘違いです。

 

しかし、問題とか悩みというものは、だいたいの場合、今までの自分の中から起こってきたものです。

言い換えると、その悩みごとや問題そのものが「内なる声」なんです。

 

 

ではなぜ、そんな声が悩みや問題という形で聞こえるようになってきたかというと、「今までの自分」をもう卒業する時期に来たからです。

今までの自分の中身がもう一杯になって、もっと外側に自分を広げて行かなければならない時期だからです。

 

ポジティブな言い方をすれば、飛躍のとき、成長のときが来た、アップデートのときが来た、という意味なんです。

そのためには、まず最初に今までの自分を形作ってきた枠を壊さなければいけません。そのあとで拡張工事をしなければならないのです。

その枠を壊す作業が、悩みやトラブルといった、ちょっと衝撃を感じる出来事なわけです。

 

今までの自分の外側に新しい自分を構築していかなければならないということは、つまり今抱えているその問題や悩みというものに対しての答えが、今までの自分の内側にはもうないんです。

だからそんな時は、自分の胸に手を当てて考えている場合ではなくて、今までと違う発想に意識を向けてみなければならないのです。

今までにない行動をしてみたり、今までの自分にはない考え方に耳を傾けてみたり。

今までに経験したことのないことにチャレンジしたり、今まで行ったことのない場所に行ってみたり。

 

だけど、拡張工事というのは面倒ですよね。

しばらくは平常運転ができなくなるし、何か変わることというのは恐かったもりします。

だから足を引っ張るわけです、自分自身が。

その自分自身が発してしまっているのが、「心の声」とか「天の声」みたいなものです。

それは一番気をつけなければならない、誘惑の声です。

 

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