聞けなかった声〜過去の不登校体験から

 

12.少年からのメッセージ

 

その後、紆余曲折はありながらも、私は元気に自分の道を歩いて来ることができました。

そんな私の体験を知った人から、不登校の子供に関する相談を持ちかけらたことも何度かありました。

 

私はあまり良いアドバイスが出来なかった・・・

というのは、何度も書いた通り、「何故行きたくなかったのか」「何が嫌だったのか」が、自分でもはっきり分からなかったからです。

 

このホームページで書いたように、「それは学校そのものに問題があったのではなくて、子供の頃からの・・・」と言ったところで、なかなか分かってもらえないものです。

というよりも、そこまでじっくりと、時間をかけて聞いてくれる人は、あまりいなかったですね。

 

たいていの場合は、「何で行きたくなかったの?」と単刀直入に聞いてきます。

そして、単刀直入な答えを期待しているのでしょう。

だけどそんな、一言二言で片付けられるような、簡単な問題じゃないでしょう?

 

だからこそ、こうしてホームページに文章として綴っているわけなんです。

ここまでじっくり読んで下さった方には、何かしら伝わったものがある、というように思いたいです。

 

 

 

私は不登校の後退学したわけですが、そもそも、多くの親御さんの目的が『学校に行かせること』だと思うんです。

だから、「どうしたら学校に行かせることができるか?」という問いに、退学した私が答えられるはずもありません。

だけど、学校に行かせたい親御さんも、まずそのことは一旦置いておいて、改めてこのホームページに書いてあることを、ご自身やお子さんに照らし合わせて見ていただけると、何らかのヒントがあると思うのです。

 

 

学校へ行きたいけれど行けない、という生徒さんも多いということも知っています。

私の例とは随分事情が違うでしょう。

だけどそれは、本文中にも書いた通り、表れ方が違うだけで、根っこにあるものは同じことなのかもしれません。

 

表面の現象だけにとらわれず、この出来事をきっかけに、心の中のありのままを、改めて見つめてもらえたら、と思うのです。

 

 

具体的な方法は、何も言えません、私には。

 

「方法」こそ、表面にしかすぎないものです。

 

 

どうぞ悩んで、とことん向き合って、見つけて頂きたい、と思います。

きっとお子さんも、深層心理では、そうしてほしいと思っているはずです。

 

私の場合もそうだったように、答えは本人達の中にしかないのですから。

 

 

 

私の体験談を聞いた人に、

 「あなたの場合は、運良くうまくやってこれましたね」

 「きっとあなたは、しっかりした人だから大丈夫だったんですよ」

というような意味のことを言われたこともありました。

 

 

私はガッカリしました。

 

つまりその人は、「うちの子とは事情が違う、うちの子はもっとひどい」と言いたいのです。

ご自分のお子さんを、ダメな子、運に見放された子とでも思っているのでしょうか?

 

そんな言葉を聞く度に、私自身が「病院に行ってみるか?」と言われた時の事、「甘えている」と言われた時の事などが思い出されました。

 

 

私は特別運が良くて元気になったわけでも、しっかりしていたわけでもありません。

 

仮に当時の私の両親が、別の登校拒否経験者の話を聞いたとしても、同じことを思ったはずです。

「うちの子は、もっとひどい」と。

 

 

 

*  *  *  *  *  *  *  *

 

 

その後20年以上の人生経験を経て、現在の自分の視点から綴ってみました。

だけど、根本的には、変わっていないんだと思うんです。当事者としての、当時の少年の目線と。

 

最初にお断りした通り、既存の心理学や教育、医療の観点から見た話でも、また、親の目線から見た話でもありません。

 

どちらかというと、子供から親に向けたメッセージに近いかもしれませんね、それを大人である現在の私が綴っている、という・・・

 

 

 

まぁともかく、ここまでおつきあい頂いたあなたは、そんな少年の声に、素直に耳を傾けてくださった大人なわけです。

 

もしあなたが、お子さんの不登校などの問題で悩んでおられる方でしたら、こんなふうに、お子さんと心を通いあわせることができる日が、きっと来るのではないでしょうか。

私はそう願っています。

 

 

また、そうでなく、何か別の悩みをお持ちで、ここまで読んで頂いた方も・・・

このホームページで綴ったのは、私や両親が、悩み抜いた果てに気付いた心の深い部分の世界です。

こういうことは、いろんなことと通じるものがある、と思うんですね。

少しでも、何かのヒントとか、励みとか、そういうものを見つけていただけたなら、本当に嬉しいです。

 

 

 

最後に、私は現在、特に不登校をテーマにした活動はしておりませんが、人の深層心理、そして心身の健康に関する仕事をしております。

それこそまさに、この不登校体験と通じるものがある世界です。参考にしていただければ幸いです。

この場での宣伝は差し控えたいと思いますが、プロフィールのページにホームページへのリンクが貼ってありますので、興味がおありでしたらアクセスしてみてください。
カウンセリングについても、記載しています。

直接お会いできることも、あるかもしれません。

 

 

最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

 

 

2.なぜ行きたくない? 3.本当の理由と言えない本音
4.大人、親との分厚い壁 5.親の言葉、教師の言葉 6.家、教室、相談室
7.深まり尽くした溝 8.親の描く将来と心配 9.子供の頃からの影響
10.不登校の意味と深層心理 11.親の評価と「ありのままの心」 12.少年からのメッセージ