腰痛とその背後にあるもの
腰は体の中心、体の要・・・と言われます。
だとしたら、その中心であり要である腰が痛いというのは、体にとってはかなり大きな問題です。
それは体全体に“きしみ”が出ていることの現れですから、決して楽観視できるものではないはずです。
動けない、楽に眠れないほど痛いというのならば尚更ですね。
しかし、「ああ、腰が痛い」と周りの人が言っていて、もさほど驚きはしないでしょう。
家族の中に、あるいは職場に一人や二人は腰痛持ちの人がいるはずです。
それだけ現代人の腰は弱く、簡単に痛みが出てしまう・・・つまり、それだけ体全体が弱っている人が多いということが言えるのではないでしょうか。
腰の痛みにも「椎間板ヘルニア」「坐骨神経痛」「腰椎分離症」「腰椎すべり症」などの様々な病名があります。
それぞれに背骨の腰の部分(腰椎)を中心に特有の歪みを起こしているもののようですが、実際のところ、腰の歪みは腰だけで起こることはほとんどありません。
腰を強打するような怪我でもない限り、どこか他の部分と影響しあって、結果的に起こってくるものです。
だから、腰(腰椎)だけを見て病名をつけても、腰椎の矯正をしてそれを治そうとしても、根本的な解決には至りません。
ましてや、腰の骨を動かないように固定するような処置を受けてしまうと、却って体のバランスを崩してしまい、二次的・三次的に症状が出てくることもあります。
他の所と影響しあって腰を歪めているのですから、腰だけを動かないようにしてしまえば、その影響は別の所に移るだけです。
では、“結果的に起こる腰の歪み”の原因はどこにあるのでしょうか?
横座りや脚を組むこと、猫背などの姿勢の問題がよく採り上げられますが、これもある意味結果的なことです。(背骨の歪みについてはこちら)
歪みがあるためにそういう姿勢になってしまうことが多く、逆に真っ直ぐに座ろうとしても長続きしません。却って腰が痛くなることさえあります。
ただ、職業柄、長時間腰を曲げた姿勢でいなければならない人、腰を捻ったままでいなければならない人などの場合は、それらが原因となることは大いにあるでしょう。
そういう場合は、出来るだけ途中で姿勢を変えること、体を伸ばすこと、逆の動きをしてみること・・・というような簡単ことをやっておくことは重要です。
改めて言われるような事でもないかもしれませんが、仕事に没頭していると、ついこのような当たり前の事も忘れてしまいがちです。
他にも、原因は数多くあります。
というよりも、細かく見ていけば一人一人違うのですが、そう言っては埒があかないですから、ありがちな原因を大まかに書いておきましょう。
しかしこれも、一般の方には見極めが難しいものであることをご了解ください。
かなり多いと思われるのが、内臓の疲労の影響です。
内臓の状態が背骨に現れるという話は聞いたことがあるかもしれません。
内臓の疲労が直接腰椎を歪ませるというよりも、内臓の疲れがある人は背中の一部が腫れたように盛り上がってきます。
慢性化するとその腫れたような状態が固定化され、体の構造のアンバランスを引き起こします。
特に肝臓、腎臓の疲れがある人が多いように見受けられますが、その原因は食べ過ぎ、栄養過多、飲み過ぎなどです。薬などの影響もあるでしょう。
食べ過ぎが原因で腰痛・・・意外に思われるかもしれませんが、実際に多いのです。
そして、背中の腫れが固定化され、腰に影響する程になって腰痛が起こるわけですから、その“潜伏期間”はかなり長いものです。
にもかかわらず、そのような時に病院で検査をしても、特に内臓の異常は見あたらないことも多いのです。
体を歪ませて腰痛を起こすほど内臓は疲れているけれど、医学的に“病気”と言えるほどには至っていない・・・このことは、重要な意味を示しています。
本格的な内臓の病気になる前に、腰痛を通して、体は警告を出してくれているのではないでしょうか。
必ずしも食べ過ぎや栄養過多が腰痛の原因である訳ではないですが、もし激しい腰痛で悩んでいるのなら、食を慎み、余分な栄養を摂らないこと、甘い物やアルコール等を慎むようにしてみる価値は大いにあります。
怪我をはじめ、腰痛の原因が他にあっても、減食をすることはその経過を良くします。
私も経験がありますが、極度の腰痛の時には自然に食欲も減るものです。
同じく内臓の問題としては、婦人科系の問題もあります。
生理痛が腰にくるように、腰痛の原因が骨盤内にあることもあります。
骨盤の歪みが腰痛の元、という説もありますが、その骨盤の歪み自体が様々な問題を背後に含んで起こっていることなのです。
つまり、他の原因で骨盤に歪みや硬直が起こり、その結果婦人科系の問題が起こるという例も多くあるのです。
その他、呼吸器との関連、頭の疲れや心理的な負担との関連など、例を挙げればきりがありません。
目の疲れや腕の疲れが原因となることもあります。
最後に、意外に多いのが、過去の怪我の影響です。
足首の捻挫をはじめ、脚の怪我によって脚の動きにバランスの乱れが生じ、それが時間をかけて腰を歪ませたり硬直させたりしているケースです。
怪我そのものの痛みはとっくに消えているため、本人も自覚がない、或いは怪我の記憶さえないことが多いのですが…。
特に手術をされている場合、その部分の動きは完全に元通りにはなりません。
そのために、腰などで敢えて歪みを作ってその不自然さをカバーしています。その負担を緩和させることは重要ですが、そこだけを捉えて「腰が歪んでいる」「骨盤が歪んでいる」として矯正してしまうことは、更にバランスを崩してしまうことにもなりかねません。
このように、その原因が一つに絞れない(どんな症状もそうですが)ために、その具体的な対処法は簡単に説明できるものではありません。
ですが、当ホームページで紹介している「自働運動」は、どんな方にもお勧めです。
上手に出来るようになれば、随分と体全体のバランスが整っていきますし、腰が丈夫で柔軟にもなってきます。
もちろん自働運動ばかりでなく、他の体操なども併用すると良いのですが、痛みの度合やその原因等に合わせて判断するのが無難です。
ただ、腰痛を訴える人は多くの場合お腹が固くなっていますので、お腹をゆるめることはお勧めです。
基本的に、痛みがある場所は自家製温湿布で温めてください。冷やすと血行を悪くし、筋肉の硬直も引き起こします。
ちょっとした疲れによる一時的な腰痛ならば、温めて、ゆっくり休めばいつの間にか消えていくでしょう。
症状が重い場合も、日々温めたほうが経過は早いです。
同じ姿勢で長時間過ごした後にも、温めておくことはお勧めです。
私も激しいぎっくり腰の経験があります。
何日も家の中を這って周り、柱や家具にしがみつきながら日々を過ごしたものですが、ずっと寝ていると却って辛いものです。
(同じ姿勢でいるのだから当然です。)
無理に運動をする必要はありませんが、動けるなら動ける範囲で動いた方が、体は硬直せずに済みます。
同じように、コルセットなどで固定してしまうと、そのまま硬直してしまいますし、 腰は弱くなります。
どうしてもたくさん動く必要がある時、長時間立ったり歩いたりする必要に迫られた時など、一時的な利用は仕方ありませんが、出来るだけ体を固定しないようにすることが、早く良くなるコツです。
いずれにしても、腰痛の原因は多岐に渡ります。
そして様々な要因が複雑に絡み合って起こっているものです。
詳しくは別のページに書きますが、その生活、心とも大きく影響しあっています。
まさに体の中心であり要、だからこそ、その腰が痛みを訴えている以上、体全体の“きしみ”に目を向けてみる必要があるのではないか、と思うのです。
「腰痛なんて大したことない」「よくある症状」
なんて言っていられないし、
「二足歩行をする生き物の宿命」
で済まされる問題ではないと思うのです。
※個人指導(整体)事例のページに、腰痛の事例も載っています。
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