個人指導(整体)の事例
実際の個人指導(整体)の実例、経過などを紹介します。
■腰痛あれこれ
まずは、不定期に腰に激痛が走る、という人の例です。
普段は少し腰がだるい、朝起きたときに腰が重い、という程度なのですが、ある日突然激痛が走る、ということがあるそうです。
何度かそういう経験をして来られたのですが、痛むのは腰の根本、背骨(腰椎)と骨盤の境目の部分です。
ここは腰痛が最も多く起こりやすい部分なのですが、腰椎5番そのものを触ってみると“ひ弱”な印象を受けます。抽象的な表現ですが、実際にそうなんです。
そのかわり、その両脇の筋肉とお尻の筋肉は異常に緊張していました。
まずはそれらを弛めていくことで痛みが軽くなることは予測できたのですが、何か足りません。
その人の体は、痛みを感じる腰の根本よりも、腰の上部と首の緊張が目立つのでした。職業を聞くと、“頭脳労働”とでもいうべき仕事をしておられ、その激痛が走る周期をよくよく思い出してもらうと大体同じ周期、ちょうどその仕事がピークを過ぎて一段落する頃のようでした。
なかなか緊張が抜けない背骨は腰椎1番系統。脳の疲れが現れる場所でもあり、腰の根本である腰椎5番とは対になっているかのような関係です。
朝起きたときに痛む、重い、というのも、腰椎1番に異常がある人の特徴です。
(実際には1番だけ、ということはなく、他の部分と連携しあって体の問題を引き起こしています。)
実際に痛みを感じている腰の根本に触れていくだけでなく、その腰椎1番系統(頭の疲れに加え、腕も疲れていました。ペンを握っている時間が長いようです。腕と脳はリンクしています)の調整をメインに行うことで、双方バランス良く動けるようになり、腰もあっさりと楽になっていったのでした。
さて、同じ腰椎1番系統(頭脳系統)の疲労がみられた腰痛の方で、また別の例があります。
残念ながら、私にとっては不本意な結果に終わった失敗例なんですが、皆さんへの呼びかけの意味でも書いておきましょう。
同じ頭脳系統でも、その方はとにかく心配性でした。頭を使うのでも、物事をついつい不安に感じてしまう癖があるようです。
常に頭が前のめりのようになり、その頭を支える首の前のスジがいつも立っているかのような緊張ぶり、頭だけでなく、上半身全体が頭の重さで前のめりになっているような姿勢が特徴でした。
痛むのはやはり腰の根本ですが、(わかりやすくするために極端な言い方をすれば)常に頭の中がいっぱいで重心が上がり、それを支える腰が弱くなってしまっているのです。
最初に体を観させて頂いた時には既に激痛で動けないほどの状態を繰り返していて、病院で勧められた手術を受けるかどうかで迷っておられました。
結局本人は手術を受けることを選択されたのですが、その手術というのは腰椎4番、5番の間(椎間板)が圧迫されないように、骨を固定してしまうというものでした。
その後しばらく、激痛は収まったようでしたが、朝はやはり痛くてなかなか起きあがれないのが続いているとのこと。
しかも随分と時間が経ってから、また同じ様な激痛が走って動けなくなったとの事でした。固定されてしまった腰の根本は、何をやってもなかなか反応してくれないので、調整も難儀なのですが、その後は体を騙し騙し使っているとの事・・・。
いずれにしても、痛いからといってその部分だけを見ていたのでは改善には至らないことが多いのです。
また別の人は、腰の真ん中(腰椎3番)を中心に問題がありました。
腰痛は動けなくなるほどひどいものではありませんでしたが、血液検査や尿検査で若干の異常値が出るような、腎臓の問題を抱えていました。
(腰椎3番系統は泌尿器系に関係します。)
冷えの影響、重い物を持ち運ぶという仕事による影響がうかがえたのですが、その人の場合は時々整体を受けて頂くとともに、自働運動、腰の捻れ調整体操などを積極的に行っていただくことで改善していきましたし、むくみがちだった顔や、腫れぼったくなっていた腰や脇腹(腎臓が疲れると厚くなる場所)もほっそりしていました。
身が軽い、というような事を仰っていましたが、腰は体の中心点のようなものですから、異常を起こすと体が重く、キレが悪くなるのです。
腰が軽くなると同時に、顔色もよくなりました。
わざわざ検査を受けてはいないようですが、異常値が出るようなことはなくなっていたはずです。
■足のだるさと皮膚のかゆみ、蕁麻疹
仕事が終わって帰ると毎日足がだるい、夜中も気になって眠れないというほど症状がひどい方でした。
ただ、年中そういう事が続くのではなく、5月の頃から徐々に症状が出はじめ、秋の初め頃にだんだん治まってくる、ということが数年続いていたそうです。
元々むくみやすい傾向はあるようですが、この方の職場では、一年中室温が一定になるように空調が整備されているそうです。
仕事が休みの日が2日以上続くと症状はさほどでもないようです。
初夏から徐々に気温が上がる一方、室内の気温は一定、そういう環境がこの方の体にはかなり悪影響を与えていることも充分考えられます。
この時期は皮膚呼吸がどんどん盛んになり、じわじわ発汗の量も増えてくる、皮膚や汗に関係の深い肝臓や腎臓が疲れやすい(特に冷房で体を冷やしたり、汗を引っ込めてしまったりした人には顕著に出ます)時期なんです。
むくみだけでなく、その頃(特に梅雨時期)には急に全身の肌がかゆく(まるで皮膚の内側が痒くなっているかのような、何とも言えない不快感だそうです)なり、蕁麻疹が出ることもしばしばあったとの事。
特にこの方の場合は肝臓の働きの鈍りでした。
特に病院の検査などで引っかかるような事ではなかったのでしょう。本人にも自覚はありませんでしたが、やはり体を調べるとその傾向がはっきり現れていました。
そしてその肝臓の影響や腎臓の疲れが原因とみられる腰の捻れ現象も起こりがちだったので、それらを中心に整えていきました。
そして普段、自分で足の指を引っ張ったり、足湯をしたりと、発汗を促すようなことをしてもらうこと。特に、脚の裏筋を伸ばす(発汗誘導、汗の内攻の害を取る)のが気持ちよいようです。
この部分はかなり伸びが悪い状態だったのですが、同じような時期に右足がつることが何度かあったそうです。
その年のうちに随分と楽になったのですが、翌年の梅雨も症状は少し出てきました。
(誰でも梅雨時期には多少体が重くなるものですが…)
しかしその翌年以降、もう5年以上経ちますが、皮膚の症状は一切無く、足も梅雨前後にちょっとだるい、という程度になっています。
■顔面神経麻痺
かなり深刻な症例でした。というのは、心理的な面も含めてです。
口がちゃんと閉じられない、目を閉じたつもりでも瞼がふさがらない、顔の片側がそのような状態になってしまっていたのでした。だから食べ物、飲み物も、手で口を押さえながらでないと食べられない。
人に顔を見られるのが嫌で、外出もできない。
やはり顔の麻痺というのはあまりにもショックで、辛いものです。このまま治らなかったらどうしよう・・・と不安になるのも無理はありません。
もちろん三叉神経の異常とみることができるわけですが、病院ではそれが細菌感染によるものの可能性が高い、脳の損傷があるかもしれない、炎症が大きくならないように手術した方がいいかもしれない・・・と、不安の上に不安を重ねられるような診断が下されました。
しかしそのまま不安に浸らせたのでは、可能性を自ら断ち切ってしまうことにもなりかねません。
相手が近しい人だったから言えたのですが、整体では違う見方をするという事と、その不安に私は同情しない、というような意味の厳しい言葉をかけたのでした。
結局病院に勧められたように入院することになったのですが、病院の雰囲気や、病室での看護士の言葉にまたもや不安を煽られてしまったそうです(その看護士さんは、思いやりのつもりで言ってくれたそうですが)。
そして一時的に気分が落ち込んだものの、落ち着いてからは私の言った言葉が思い浮かんだそうです。
このまま入院していたのでは益々不安になるだけだ、治そうという意志が消されてしまいそうだと感じ、その日のうちに退院することを決意しました。(しかし通院して、投薬治療は受けるという条件付き)
それでも短くても半年以上は治らない、後遺症が残る可能性もある、その後の検査結果によっては、脳の手術を行う必要がある・・・そのように病院では言われたそうですが、2ヶ月も経たないうちに人前に出られるようになり、その後は一切後遺症も残っていません。
もちろん検査の結果、手術も必要なく異例の回復を遂げたわけです。
通院しながらも、短期間に集中的に整体を行った結果です。
私が行った調整法は、背部や頭部、顔周辺などの神経系の調整が主だったものでした。
それに薬の副作用のケア(これがなかなか手強く、特に腎臓がかなりのオーバーヒートを起こしているのに手を焼きました)。
そして重要なのは、ごく僅かな変化でも見逃さず、良くなった所を自分で認めること(仮に“気のせい”と思えるレベルだとしても)。
そして教えた体操や手当てを毎日行うことを徹底してもらいました。
実は(詳しいことは書けませんが)、この症状は幾つかのストレスが同時期に重なっていた時期に起こったのでした。
そうした心理的な要因に加え、症状自体への不安・・・腹部(感情との関係)の調整や言葉かけなど、感情面にも随分と気を配りながらのやりとりでしたが、実はこのことが一番大事な点だったと思っています。
この症状をきっかけに、今までの環境をガラリと変えることを本人は決断され、その後はある意味理想的とも言える環境が一気に整っていったのでした。
■膝・足の痛みと肩こり
膝の痛みを中心に、足全体が痛いという人の例です。
座ったり立ったり、つまり足の曲げ伸ばしをすると膝周辺が痛むと共に、何気ない動きで痛みが走るときがある、という状態です。
それと、慢性的な肩こりもありました。
まずは1回目の操法で足の痛みがすっかり消えてしまったそうで、その後しばらくは来られませんでした。
1回目の時は、膝周辺、足首、太もも、脛などをまずは整えていきました。
継続して来られるつもりだという話だったので、やたらと調整する箇所を一度に増やすより、的を絞って行っていく方が的確だ、と考えたからです。
そして気になる腰、骨盤という、足の痛みの元になっている箇所にも刺激を残すことで、次回の操法の準備としておきました。
ところが、1回目で良くなってしまったのです。
最初に体を見せて頂いたときに、ちゃんと体を変えるには時間がかかる、体を乱さないためにも、時間がかかるものにはかけるべき、そう思っていたので、1回目で治ったのが良いことなのか良くないことなのか・・・
実際、しばらく間を開けて次に来られたときには、やはりまた痛くなっていたのでした。
というのも、その人は片側の骨盤が強く引き締まりすぎていて、片足が内に巻き込むような姿勢、その影響か腰にも捻れが起こっている、ということが1回目の時に見られたからです。腰ばかりでなく、肩にまでそれは達していました。
実は、過去に足に大怪我を負っていたのでした。それは外科的処置で治したのですが、その事がどうやら背景にあるようです。
本来ならこの部分を正していかなければなりません。だから時間をかけるべきだな、と思ったのですが、以後は足首や指の間、股関節や腰などへのアプローチを繰り返し、足の痛みを改善していったのでした。
ひどい肩こりもそれに伴って軽くなっていったのですが、腰から下の問題による体の捻れ現象が上半身で逆の捻れを生み、肩や首〜頭(肩こりと共に頭痛を併発していました)へ悪影響を与えていたのです。
このように腰や足などの症状と肩こりが同時に起こっている例は多くあるのです。
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